記録によると2004年から始まったような北野研自然観察ハイキング。年を追うごとに参加者が増え、9回目であろう今年、とうとう60名を超えました。こんなになるとは予想していなかったので、運営面での工夫が必要だと実感しました。列が長くなったり、先生のお話が届かなかったり、居場所によって内容に差が出てしまいました。行き届かなくてすみませんでした。たくさんの方々にお世話になりつつ、続けていられることに感謝しています。

平山城址公園駅から、ほとんど貸切状態のような満員のバスで東京薬科大へ向かい、まず大ざっぱに自己紹介。そしてさっそくハイキングへ出発。今年も東京女学館のお嬢さんたちがたくさん参加してくださって、賑やかな一団となりました。また、鷲山先生や片山先生もいらして、これまた普段とは違った雰囲気? 植物の話なども聞けて楽しい一日でした。

今年は北野先生が新たに開拓した新しいコースに挑戦。お昼の神社までは今までどおりでしたが、午後からちょっと遠回りの新しいコースに向かいました。1〜2時間余計にかかりそうだったので、早く帰りたい方々はいつもの帰り道に分かれ、余裕のある方々は遠回りして新発見があったかも?

(左)ジュウニヒトエ:小さな花をよく見ると、平安時代の姫が立っている姿のようでもある。シソ科の植物は、小さいが可憐な花が多いような気がする。
(中)タマノカンアオイの花:小さいけれど、ラフレシアのように地面に生えている。葉をそっとめくると花が見えてくる。ギフチョウの食草だが、ギフチョウがいるわけではない。植物名は、「多摩の」に由来。
(右)カメムシの幼虫:木の幹に集まってじっとしている。集団でいることの利点は何か? これが今年の宿題。できた方は北野先生までレポート提出のこと。  

(左)イチリンソウ:イチリンソウとニリンソウが並んで咲いている場所があり、比べてみると、イチリンソウの方が花大きく、葉の切れ込みが深い。どちらもキンポウゲ科で、パッと見にはよく似ている。
(右)レンゲ:春の里山ののどかな風景を彩るレンゲの花。レンゲはマメ科で、根に窒素を固定する細菌が共生しており、稲刈りが済んで、田植えの前までの間にレンゲを植えておくと、田んぼにすきこむことで窒素肥料を入れることになる。小さい頃はレンゲの花で冠を作ったりして遊んだ。

〈今回観察できたものの一部です〉

 ウスバシロ キランソウ ジュウニヒトエ アリジゴク 粘菌 ビロードツリアブ ツチイナゴ(成虫越冬) クマバチ ガビチョウの声 アメリカフウロ オオミズアオ ジロボウエンゴサク ウグイスの声 ホトケノザ アオキの花(雌雄) ハナイカダ カタクリの葉 タマノカンアオイの花 タチツボスミレ カメムシの幼虫 ハナイバナ オトシブミ アオオサムシ ミヤマナルコユリ ホウチャクソウ ホトトギス(植物) カラスビシャク ミツバアケビ(雌雄) イタドリハムシの幼虫 アカボシゴマダラの幼虫 ノウルシ アミメカゲロウ クリタマバチの虫こぶ イヌザクラ レンゲ スズメノエンドウ・カスマグサ・カラスノエンドウ コールラビ・・・

 野草などの植物から昆虫、帰化生物、栽培品種までいろいろでした。

 また、一部では、一時期少なくなっていたムラサキケマンが増えているようで、いつかはたくさんのウスバシロにも会えそうです。