* 修了生からのメッセージ(教育学研究科修士課程 2009年3月修了生)

*手紙と写真の掲載については本人の了解を得ています。
The letter and the picture are used with the permission of the graduate.

ムアンシリ プンナトリー(タイ)

ムアンシリ プンナトリー(この写真は2008年2月に東京学芸大学で撮ったものです)
私は2003年から2004年まで、International Student Exchange Program〈ISEP〉 の短期交換留学生として、この大学で勉強しました。その時の目標は、多様な経験を積むことと、日本語の能力を向上させることでした。また、初めて一人暮らしをし、自分のことにすべて責任を持つようになり、いろいろなことを学ぶことができました。一人暮らしは自由にできましたが、自由には、それに伴う責任がある、という一つの大切なことが分かりました。外国人の友達と勉強したり、遊びに行ったりして、その国の文化などが分かったこと、日本人と友達になったこと、日本の文化、習慣を多少経験したりしたことなどによって、楽しい生活を送りながら、私の目標を達成し留学することができました。ISEPの授業は、クラスの中でも、見学のクラスでも、面白くて楽しかったです。そのほか、留学生向けの日本語クラスや日本人の学生の授業も受け、新しい知識を多く得ることができました。一年の留学は私にとって、本当の宝物であり、帰国して母国の大学を卒業した後も、また東京学芸大学に留学したいと強く希望していました。1年半が経ち、やっと東京学芸大学に勉強に来ることができました。今回の留学の目標は、交換留学の頃とは違います。

今回の目標は、日本語教育を研究するために大学院に進むことでした。2006年に国費研究留学生として勉強しました。そして2007年に大学院に入学し、2009年に修士課程を卒業する予定です。現在、日本語教育サブコースの大学院2年生として修士論文を完成することを目指して頑張る毎日を送っています。修士論文の完成に至るまでの能力は修士課程に入ってから身につけてきたものだと思います。学習者に無理やり新情報を与えるのでなく、一人ずつやグループで課題を研究し発表する討論によって、学習者の内側から学ぶ力を育成させることができると思います。自分の興味深い研究課題とともに、将来の日本語教師になるための教育方法論なども学習できたと思います。私の場合は、日本国外での日本語教育大会で研究の視野を広げ、他者の研究も参考になれたことによって自分の研究を振り返ることができました。私はまだ研究者の卵ですが、将来ももっと学会に参加したいと思います。今は日本語とタイ語の文法的対照分析を行っておりますが、ことばは人によって造られるものだと考えるため、他の大学でも日本人母語話者にもタイ人日本語学習にも調査の協力を依頼し、研究を行っております。研究というのは、自分の能力をはじめ、研究領域以外の一般の人との力の組み合わせを通して、新たな知識を生み出して世界に広げることだと思います。大学の文化祭の際にみなさんが力を合わせて、学外の大勢の方までに、音楽、スポーツ、芸術、食事など様々な楽しい体験を広げたことと同様でしょう。

これから修士課程に進学したいと思われる方、卒業して社会人になる方、留学している方、日本語教師以外のキャリアを目指している方に、大学で身につけた能力を忘れずに、自分の目標を達成させ、社会に役立つ役割を果たせるよう頑張ってください。

そして、日本語の文法および日本語の効果的な教育法の習得という勉強の目標のために、私は更なる進学する必要性を強く感じていますが、指導教員、先生方、留学生センターと国際課の先生方、東京学芸大学の学生のみなさんと他の大学の学生さんからのサポートをいただいているこの良い環境の中であれば、頑張り続けられると思います。 最後に、留学生のみなさん、外国で勉強とアルバイトを両立することが大変でしょうが、留学の目的を忘れずに一生懸命に元気で頑張ってください。