私の見た日本—東久留米の黒目川

 今年の10月1日、日本に来て、ガイドしてくれた学生たちに付き従い、寮に着いたのはもう真っ暗なよる8時近くだったから、寮の近くの景色はまったく見られなっかた。しかし、翌朝起きて、買い物に行きたいから、寮を出て、歩きながら周りの景色を見ると、はっと驚いた。「えっ、なんてきれいな川だこと」と叫ばんばかりにびっくりしたのだ。本当にきれいで、清らかな川を見つけたからだ。その発見を皮切りに、観察しはじめた。
 黒目川という名前のこの川は、東久留米市で、最も大きな川かもしれない。主に二つの支流があって、一つは私たちの住んでいる寮の前を、もう一つは川神社の前を流れている。さすが一級河川だけあって、非常に清い。そして、幾つかの面白い発見もある。
 まず、この川には魚がいっぱいいる。いつもこの川で何十匹も、50センチからある長さの魚たちを見ることができる。たぶん日本には魚を川から釣って食べる人はないとも言えないけれど、少ないかもしれない。この「鯉」という魚は日本人にとって、食用の魚ではない可能性もあるだろう。
 そして、鴨やコサギなどもいる。鴨は何匹かだが、コサギはずっと一人暮らしをしているようだ。ある日、風が吹いたり、雨がびしゃびしゃ降っていた。橋を渡っている時、見るともなく見ると、コサギはちっとも動かないで、川で立ったままの格好をしていた。まさに、「雨にも負けず、風にもまけず」のコサギさんなのだねと笑った。
 また、近くの住民たちは川にやさしい。この黒目川を見つけてから、もう二ヶ月半過ごし、しかも毎日かならずこの川を見る。けれど、川に向かって、物を投げたり、ごみを捨てたりする行為は一度も見たことはない。夏の時、氷川神社のこの川で、子供と家族がいっしょに遊んでいる姿もよく見られた。人と自然の調和はとてもよくできていると思われる。黒目川は一日の中でも、違った美しさを現す。そして、夏と冬の景色もまったくいっしょではない。寮のすぐ近くにこのようなきれいな川があるのは、たいへん幸せだと思う。

(陳 翰希/中国)(2009.12)