カラーコンタクトのトラブル

誰でも簡単に購入できるカラーコンタクト(カラコン)。最近テレビや新聞などでもカラコンによるトラブルが多数報告されています。激安に釣られて通販で購入し失明にさらされるケースも・・・

コンタクトレンズは以前、視力の悪い人が使用するものでしたが、近年ではファッションとしてのカラーコンタクトも販売されています。目の色を変えておしゃれを楽しむ人が増えてきているようです。しかし、眼科検診を受けなければ基本的には買うことのできない視力矯正用のコンタクトレンズとは違い、雑貨品扱いのおしゃれコンタクトレンズは手軽に購入できます。目が悪くないから、カラーコンタクトだからという思い込みで眼科医の検査も受けずに購入し、コンタクトレンズ障害を引き起こす人が増えています。

カラーコンタクトに関する報告

国民生活センター公表(2006年2月)の商品テストの結果によると、雑貨品扱いのカラーコンタクト10銘柄について次のような報告がされています。

カラーコンタクト2銘柄で、眼粘膜刺激が起こりうる程度の細胞毒性が認められた。

カラーコンタクト4銘柄で色素の溶出がみられ、そのうち2銘柄では溶出液が蛍光を発していることが確認された。また、アル ミ
ニウム等が溶出しているものもみられた。

 カラーコンタクト装着後、視力、夜間視力、動体視力が大幅に低下する場合があり、さらに、装着したことによって乱視矯正が必要になったり、軽度の眼の障害が認められた場合もあった。

カラーコンタクトの使用によって生じた眼障害が1ヶ月で43件、そのうち未承認(医療機器対象外)のカラーコンタクトによるものは10件、度なしによるものは18件報告された。

 カラーコンタクトを使用している大学生にアンケートをとったところ、約4割近くが使用して調子が悪いと感じたことがあった。

     2007年10月29日の朝日新聞の記事で次のように報告されています。

日本眼科医会や日本コンタクト学会でつくる協議会が昨年10月、全国213の眼科病医院の協力で調べたところ、おしゃれ用カラーコンタクトによる目の病気は1ヶ月で27件報告された。うち失明につながる恐れのある角膜潰瘍・角膜浸潤も9件あった。



カラーコンタクトをアクセサリー扱いしていませんか?

瞳におしゃれ感をプラスしてくれる、カラーコンタクト。
でも、そのためのデメリットも知って正しい取り扱いをしましょう。

 カラーコンタクトは、レンズに着色するため、酸素透過性が低くなる場合があります。装用時間を守って使用してください。

 コンタクトレンズの貸し借りは、衛生的にも、安全面でも厳禁です。

 使用期間中は3〜6ヶ月に一度は定期健診を受けてください。自覚症状がなくてもトラブルが発生している場合があります。

 コンタクトレンズに付属している添付文書を良く読んでから使用してください。

花粉症など眼にアレルギーがある人は使用を控えてください。

 専用のケア用品を使い洗浄、消毒を適切に行ってください。

 コンタクトレンズを傷つけないよう注意深く取り扱ってください。

 変形、変色、破損したコンタクトレンズは使用しないでください。

 彩色部分の影響で装用時には、夜間視力、動体視力が低下する場合がありますので、夜間に車等の運転をする際はコンタクトレンズをはずすか、運転をやめてください。

普通の水をお手入れに使っていませんか?

水道水には、角膜に潰瘍を起こす「アカントアメーバ」が混ざっていることもあり、最悪の場合、角膜移植が必要になります。また、ソフトコンタクトの場合、水道水の塩素がレンズにとどまって、目を刺激します。

 うっかり眠ったりしていませんか?

最近のレンズは装用感がいいので、ついついそのまま眠ってしまう人がいます。角膜は呼吸しているため、コンタクトをしたままの睡眠はトラブルの元です。角膜は酸素不足になり、酷いときには角膜が濁ったり、剥がれたりトラブルを起こし、失明の危険性もあります。



不注意な装脱着をしていませんか?

手には様々な雑菌が付着しています。

手を洗わずレンズを装脱着すると眼に雑菌が入り炎症を起こしたりトラブルの原因となります。

必ず清潔な手で取り扱うようにしてください。

正しいコンタクトレンズのお手入れしてますか?

コンタクトレンズ眼障害の大きな原因の一つはレンズの汚れで、レンズ汚れの主な原因は誤ったレンズケアです。コンタクトレンズは眼に直接触れるため、汚れたレンズが眼にトラブルを引き起こすのは当然といえます。大切な眼を守るために、自分の眼とコンタクトレンズに合ったケアを行うようにしましょう。

≪レンズ汚れによるトラブル≫

 レンズの着色、変形、親水性の低下などを引き起こします。

 レンズの酸素透過性を低下させるため、眼の酸素不足の原因になります。

 レンズ表面のすべりが悪くなるため、角膜にキズをつけ、点状表層角膜症を生じたり、さらにキズから細菌感染を起こし、細菌性角膜炎や恐ろしい角膜潰瘍につながることがあります。

 レンズ表面の乾燥につながりドライアイを悪化、あるいは、誘発させる原因になります。

 結膜にアレルギー反応を起こし、巨大乳頭結膜炎の原因になります。

こんな症状には要注意!!

コンタクトレンズ障害の症状は、ちょっとした眼のトラブル、例えば異物が入ったり、眼の疲れ等と症状が同じなので、気づかないことが多いのです。また全く自覚症状がない「角膜内皮障害」というコンタクトレンズ障害もあります。ここでは、主な自覚症状と原因について簡単に説明します。

症状

原因

異物感

充血

流涙

レンズの内側にゴミなどの異物があり、角膜を刺激している

レンズの汚れ、傷、変形

洗浄液のすすぎが充分でない

長時間の装用による角膜の酸素不足

フィッティング不良

角膜の障害、巨大乳頭結膜炎

ドライアイなどのコンタクトレンズ障害が起きている

その他の眼の病気にかかっている

眼の痛み

主な原因は「異物感、充血、流涙」と同じ 

装用中や装脱後に痛みがある場合には角膜の障害の可能性がある     

見えにくい

かすみ/くもり

ぼやけ

レンズの汚れ、フィッティング不良

レンズを左右逆に装着している

長時間の装用の酸素不足による角膜浮腫(むくみ)

夜間まぶしい

視力がぶれる

レンズの傷や汚れ、変形、ゆがみ

レンズの直径が小さすぎる

レンズがずれる

はずれる

はずしにくい

フィッティング不良でレンズが動き過ぎ/動きが悪い

レンズが変形、歪んでいる

まばたきするまぶたの力が強い

涙が多い/眼の乾燥

巨大乳頭結膜炎にかかっている

円錐角膜(角膜が変形する病気)

眼が乾く

まばたきが少ない、ドライアイ

レンズが汚れている、フィッティング不良

レンズの直径が大きすぎる

シェーングレン症候群などの眼の病気

かゆい

眼ヤニが多い

巨大乳頭結膜炎

アレルギー性結膜炎などの病気にかかっている

しみる

灼熱感がある

レンズに洗浄液、洗浄保存液、消毒液がついている

眼が乾燥している、フィッティング不良

角膜障害を起こしている

眼のトラブル予防法

コンタクトレンズを装用し、眼の乾きや眼精疲労に悩んでいませんか?どちらも眼の酷使が原因とされる症状です。

そんな眼のトラブルの予防法についてご紹介します。

『眼の乾き』

眼を酷使することで涙の量が減少し、眼の表面に障害が生じます。眼の乾きを防ぐためには、目薬を点眼しましょう。現在では、コンタクトレンズを装用したまま点眼できるタイプも販売されています。「眼が乾いた」と思ったら、すぐに点眼するようにしましょう。

水蒸気を噴き出し湿度を保つ加湿器も、眼のトラブルを防ぐアイテムのひとつです。

『眼精疲労』

コンタクトレンズを装用していると、眼が疲れてくるのは日常茶飯事。そんな眼精疲労の解決法をご紹介。毎日続けることでより一層の効果が見られます。

こめかみマッサージ

こめかみには、頭痛や眼の充血をやわらげるツボがあります。3〜5秒間強く押し、数秒離す。これを繰り返してください。

めがしらマッサージ

めがしらには、眼の疲れをやわらげるツボがあります。2〜3秒押し続けてください。

これを繰り返してください。

眼の下をマッサージ

瞳孔の下辺りは、眼の充血や眩暈に効くツボがあります。優しく、ゆっくりと押してください。

眼をぐるぐると回す

眼をぐるぐる回すことで、眼の筋肉のこりをほぐし、血行を良くします。1日に2〜3回行うようにしてください。

カラーコンタクト購入時の注意

 薬事法上、義務はありませんが、ぜひ眼科医の処方を受け、処方箋のデータをもとに購入してください。

 高度管理医用機器販売許可を受けた事業者から購入してください。

 高度管理医療機器としての承認を受けたカラーコンタクトレンズを購入してください。




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