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「OECD 学びのコンパス2030」に対応した授業事例のショートビデオ

 OECDでは,2030年を生きる子どもたちの学習の枠組み「OECD 学びのコンパス(羅針盤)2030」(OECD Learning Compass 2030)を提案し,その各要素が具体的にどのように育成されるのかを紹介する授業映像を各国から集め,公開しています。

 これを受けて本プロジェクトでも,この目的に即した日本の授業事例の動画(ショートビデオ)を作成しました。これらのビデオのうちいくつかは,OECD主催の国際会議等で紹介された他,各国に紹介すべき事例として,OECDのEducation 2030に関するWEBページでも配信されています。「OECD 学びのコンパス2030」について詳しくは下の説明をご覧下さい。

 また,当機構と連携していますOECD日本イノベーション教育ネットワーク(ISN)からも,「OECD学びのコンパス2030」のコンセプトを具体的に示す実践ビデオが作成されています。「ISN研究成果のページ」をご覧下さい。

 

「責任ある行動をとる力」の育成事例(中学校・体育)
授業者:谷 百合香(東京学芸大学 附属世田谷中学校)

「責任ある行動をとる力」の育成事例(中学校・家庭)
授業者:菊地 英明(東京学芸大学 附属国際中等教育学校)

「見通し-行動-振り返り(AAR)のサイクル」を取り入れた授業の事例(中学校・理科)
授業者:髙田 太樹(東京学芸大学 附属世田谷中学校)

 

「見通し-行動-振り返り(AAR)のサイクル」を取り入れた授業の事例(小学校・体育)
授業者:松井 直樹(東京学芸大学 附属大泉小学校)

児童・生徒の「エージェンシー」全般の育成を目指した事例(中学校・国語)
授業者:森 顕子(東京学芸大学 附属竹早中学校)

 

※所属は2017年当時

「OECD 学びのコンパス2030」とは何か?

 OECDが進めているEducation 2030事業では,複雑で予測が難しい2030年の世界を生き抜くために,今の子ども達に育成すべき力は何か? それをどのように育成するのか?を検討しています。

 OECDでは,「子どもたちは自分の人生や周りの世界を良くする意思と力を持っている」という考えに基づき,彼ら・彼女らが,変革を起こすために,目標を設定し,振り返りをしながら,責任ある行動をとる力を「生徒のエージェンシー」(student agency)と呼んでいます。そして,「生徒のエージェンシー」を発揮するために必要なものとして,「OECD 学びのコンパス2030」という学習の枠組みを提案しています。これは,子どもたちが「私たちが望む未来 ― ウェルビーイング2030」(The future we want: Well-being 2030)を達成する道を見つけるための「コンパス」です。

「学びのコンパス」では,子どもたちが,世界に貢献し,その中で成功し,より良い未来をつくりだすために必要な力として「変革を起こす力のあるコンピテンシー」(transformative competencies)を定義しています。それには「新たな価値を創造する力」(creating new value),「対立やジレンマを克服する力」(reconciling tensions and dilemmas,),「責任ある行動をとる力」(taking responsibility)の3つが重要とされています。

 そして,子どもたちが「社会全体のウェルビーイング」に向けて歩んでいくためには,現実場面の複雑な課題に対応するために様々な「コンピテンシー」(competencies)を身につけなければなりません。この図では,こうしたコンピテンシーを構成する要素として「知識」(knowledge),「スキル」(skills),「態度・価値」(attitudes & values)を縦横に描いています。

 最後に,集団のウェルビーイングという目標に向かって,これらの学びを着実にすすめるためには,ここまで述べてきた力を様々な学習や活動の中で「見通し」(anticipation),「行動」(action),「振り返り」(reflection)を繰り返しつつ働かせることが重要になります。OECDでは,これを「AARサイクル」と読んでおり,図では,コンパスの外側の回転矢印でそれを表しています。