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環境教育概論 (2006年度前期)
○担当教員: 原子 栄一郎 (総合教育科学系 環境教育実践施設 准教授)
○曜日時限: 月曜 2限 / ○教室: N棟 411教室 / ○学年: 1年生
 ねらいと目標

 環境教育はどのように歴史的に形成され、今日、どのような段階に達しているかを把握した後に、授業参加者一人ひとりの環境と教育を巡るライフヒストリー(自分史)をひも解きながら、今ここにいる私から立ち上げる環境教育について考える。

 授業参加者は、学期末に、自分の環境教育の考え方が論述できることを目標にする。


 内容

(1) 環境教育の歴史を学ぶ。

(2) 環境教育の今日的段階について学ぶ。

(3) 授業参加者一人ひとりの環境と教育を巡るライフヒストリーを探る。

(4) 環境教育と呼ばれるものの根っこにあるものを探る。

(5) 自分の環境教育の考え方を「環境教育私論」にまとめる。


 参考文献

 適宜、授業の中で紹介あるいは配付する。


 授業スケジュール

1.  04/17 オリエンテーション

2.  04/24 環境と教育への導入

3.  05/01 休講 

4.  05/08 環境教育の今日的段階(1) : 環境教育推進法と基本方針

5.  05/15 環境教育の今日的段階(2) : ESDの10年

6.  05/22 環境教育と社会(1) : 循環型社会形成のシナリオ

7.  05/29 環境教育と社会(2) : 循環型社会形成のシナリオ

8.  06/05 環境教育に取り組む人たち(1)(ゲスト) : 環境政治とライフヒストリー

9.  06/12 環境と教育をめぐる自分史 【提出】「環境と教育をめぐる自分史」

10.  06/19 環境教育に取り組む人たち(2)(ゲスト):環境教育を実践する学生とライフヒストリー

11.  06/26 環境教育の根っこを探る(1)

12.  07/03 環境教育の根っこを探る(2)

13.  07/10 環境教育の根っこを探る(3)

14.  07/24 環境教育私論 【提出】「環境教育私論」


 授業報告

 今年度の F類環境教育課程共通科目「環境教育概論」は、次のようなねらいと目標を設定して実施した。
 環境教育はどのように歴史的に形成され、今日、どのような段階に達しているかを把握した後に、授業参加者一人ひとりの環境と教育を巡るライフヒストリー(自分史)をひも解きながら、今ここにいる私から立ち上げる環境教育について考える。授業参加者は、学期末に、自分の環境教育の考え方が論述できることを目標にする。

 クラスでは、次の内容をカバーした。
1 環境教育の歴史を学ぶ。2 環境教育の今日的段階について学ぶ。3 授業参加者一人ひとりの環境と教育を巡るライフヒストリーを探る。4 環境教育と呼ばれるものの根っこにあるものを探る。5 自分の環境教育の考え方を「環境教育私論」にまとめる。

 現代GPとの関連では「環境政治」を取り上げた。6月26日に2人のゲストをお迎えし、「環境政治にかかわる人たち:ライフヒストリーに注目して」というテーマで話をして頂いた。1人は「みどりのテーブル」共同代表の小林一朗さん、もう1人は小金井市議会議員の漢人あきこさんである。「みどりのテーブル」は、経済成長を優先する社会から「公正で持続可能な社会」に変えていこうという「みどりの政治」に全国で取り組む人たちのネットワークである。漢人さんは、このネットワークのメンバーである「みどり三多摩」の共同代表者でもある。

 小林さんは東京農工大学出身。学生時代は少林寺拳法とキックボクシングに明け暮れたとのこと。科学技術系会社に就職したものの企業のあり方、現代社会の歪み、人生などにいろいろと疑問を感じるようになり、転職を経て、みどりの政治に関わるようになった。そんないきさつと市民が主体となる緑の政治への熱い思いを、興味深いエピソードを織り交ぜながら力強く語ってくださった。

 漢人さんは学芸大学出身。学生時代に自立生活を始めた重度障害者たちと出会ったこと、被差別部落や在日韓国・朝鮮人たちの歴史や差別の現実をしったことが、今の原点になっているとのこと。その後、保育園で働く中で環境問題の深刻さを実感し、政治の役割の重大さを認識し、市議会議員として働く道を選択したことを、静かに淡々と語ってくださった。

 最後に質疑応答の時間を持ったが、学生からの発言はなかった。が、感想文には、何人もの学生が「普通の人」が「政治」に参加することへの素朴な驚き、政治参加という選択が可能であること、してもよいということを書き記していた。授業者が意図したベースラインは一先ずクリアされたかなと思う。
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