第41回海外子女教育セミナー
海外子女教育セミナーは日本人学校、補習授業校などの在外教育施設への派遣を希望している教員とその家族、学生、および海外子女教育に関心をもつ教育関係者、研究者などを対象に毎年開催されている。本年度は「「海外子女教育-児童生徒の多様性を生かし育てる教育モデル」と題して2020年10月31日(土)にオンラインで開催し、約70名の参加者があった。第一部では、竹鼻ゆかり国際教育センター長の挨拶の後、文部科学省総合教育政策局国際教育課国際調整企画官の前澤綾子氏の講演「海外子女教育の現状と課題」があった。海外子女教育政策、在外教育施設の最新の状況や近年の新たな課題、派遣教員に期待すること、コロナ禍での取組みなどを、わかりやすくお話いただいた。
休憩をはさんでの第二部では、在外教育施設への赴任経験があり既に帰国なさっている先生方お二人と、現在在外教育施設で教えていらっしゃる二組の先生方にお話しいただいた。前ロッテルダム日本人学校教諭の河口雅史氏(東京学芸大学附属大泉小学校教諭)、前シカゴ双葉会日本語学校補習校教頭の平井 伸氏(千葉県子どもと親のサポートセンター相談員)、現台北日本人学校教諭の新内俊允氏と校長の近藤裕敏氏、現香港日本人学校香港校小学部教諭の二宮健吾氏と田中泰貴氏から、それぞれ在外教育施設での実践報告をいただいた。いずれの学校においても、グローバル人材の育成や教師の力量形成において、新しい特色ある取り組みを行っており、参加者にとって大変参考となる報告であった。
その後の質疑応答の時間には、前澤氏と実践報告を行った先生方にご登壇いただいた。フロアからのさまざまな質問をもとに、派遣制度について、日本人学校や補習授業校の子どもたちについて、現地での教育実践、特に、現地理解教育・国際理解教育、特別支援教育について、家族を含めた現地での生活について等、活発に情報交換、意見交換がなされた。
参加者からは、「実践発表では、先生方の熱意と、取り組まれている教育のレベルの高さに驚かされた。在外教育施設をとりまく課題などについて知ることができてよかった」「ZOOMでの開催という事で、現地に赴任中の先生方の現在進行形の実践を伺えたことは、大きな刺激となりました」「多様性をテーマに各校の取り組みを拝聴し、とても参考になるとともに、取り組んでいく課題も多いことに改めて実感をいたしました」など、多くの感想が寄せられた。
第41回 海外子女教育セミナー
「海外子女教育-児童生徒の多様性を生かし育てる教育モデル」
日 時:2020年10月31日(土) 13:00~16:30 zoomにて遠隔セミナー
12:30 開場、受付開始
第一部
司会: 榊原知美(東京学芸大学国際教育センター准教授)
13:00 開会
13:00~13:05 開会の挨拶 竹鼻 ゆかり 東京学芸大学国際教育センター長
13:05~13:15 趣旨説明 松井 智子 東京学芸大学国際教育センター教授
13:15~13:55 講演「海外子女教育の現状と課題」
文部科学省総合教育政策局国際教育課 国際調整企画官 前澤 綾子
13:55~14:05 質疑応答
14 : 05~14:15 休憩
第二部
司会: 見世千賀子(東京学芸大学国際教育センター准教授)
14:15~15:55 派遣教員による海外での実践報告
1. 河口 雅史
東京学芸大学附属大泉小学校教諭・
前ロッテルダム日本人学校教諭
2. 平井 伸
千葉県子どもと親のサポートセンター相談員・前シカゴ双葉会日本語学校補習校教頭
3. 新内 俊允 台北日本人学校教諭
近藤 裕敏 台北日本人学校校長
4. 二宮 健吾 香港日本人学校香港校小学部教諭
田中 泰貴 香港日本人学校香港校小学部教諭
15:55~16:25 質疑応答
16:25~16:30 閉会の挨拶 吉谷 武志 東京学芸大学国際教育センター教授
16:30 閉会