SketchUpの使い方 2
対象となる交番です。
東京学芸大学正門前から歩いて5分ほどのところにあります。
実際の交番の写真です。
Google Earth等のStreet Viewでも、写真を見ることができます。
SketchUpで写真を取得すると、赤、緑、青の基本軸が画面中央に配置されています。
SketchUpでは、この軸を基準に平面上に縦横の図形を描くことができます。
このため、軸を対象となる建物の基準となる点に移動、建物の形状に合わせておきます。
軸の移動は必須ではありませんが、(ほぼすべての建物がそうであるように)建物が4角形を基本としている場合、
建物のを描くのが楽になります。
ここでは交番の形状の直角部分にあわせることにします。
「軸」アイコンをクリックします。
カーソルが「軸」に変わります。
軸を移動して、交番の基準点に合わせ、クリックします。
これにより、軸の位置が基準点に固定されます。
しかし、まだ軸の方向は定まっていません。
クリックしたままカーソルを交番の壁に正確に沿って移動します。カーソルが「面上グループ内」にあることを意識してください。
これはカーソルが写真平面内にあることを意味します。
これで、緑・赤・青軸の赤軸の方向が定まります。
次に緑軸の方向を定めます。
青軸が写真平面上に垂直になるように気を付けてください。
これで基準軸が対象建物の形状に合わせられました。
「線」アイコンをクリックして、建物の描画にはいります。
基準軸にあわせ、建物の外形を描画していきます。
基準軸が設定されているので、赤軸方向に移動しているときには描画線が赤色に変わり、
軸方向に描画していることを確認できます。
線が常に「面上グループ内」にあることを意識してください。
描画中、描画線が青色に変わったりしたら、写真平面から線が離れてしまっていることを意味します。
建物形状を一周すると、平面上で線が閉じられて、「面」となります。
SketchUpでは「線」と「面」の概念が非常に重要です。
この建物の場合、周辺を構成する5つの点が同じ平面上にある必要があります。
この場合、すべての点は高さ0の位置にあるはずです。
たとえば、一つの点でも違う高さにあった場合、「面」とはなりません。
これに対し、高さの違う3つの点で三角形を構成した場合には常に面となります。
SketchUpでは、「面」から「立体」を作成します。
このためには、対象となる「面」を選択し、プッシュ/プル機能で操作をします。
具体的には、ツールバーの「選択」(黒い矢印)で面を選び、
カーソルを「プッシュ/プル」(上図の豆腐に赤上矢印)に変えて、面を操作します。
対象建物の形状に合わせて作った「面」から「立体」を作った画面です。
立体の高さは画面右下に表示されます。
正確な高さを出すには、「Push/Pull」適応中に、キーボードで正確な数値を入力します。
数値は、「0.2m」「20cm」というように単位を付けて入力します。
ここで、大きな問題があります。
対象となる建物は、屋根の部分が建物本体より広くなっています。
Google Earthの写真は真上(ほぼ真上)から撮られているので、
建物の外観を通りにはなりません。
なお、この建物は、屋根までの高さが2,7m、屋根の高さが0.5m、
屋根のオフセットが40cmであることがわかっています。
天井部分の立体から余分な部分を削り取ることもできますが、
ここでは最初から建物本体にあわせ立体を作ることにします。
このためには「オフセット」機能を使います。
プッシュ/プルで作成した立体をキャンセルし、写真平面上の形状のみの状態に戻してください。
「オフセット」アイコンです。意外とよく使います。
カーソルを「オフセット」に変えて、面上に移動します。
このとき、面に合わせた形状のオフセットされた形状が表示されます。
オフセットの距離は右下に表示されます。
正確なオフセット距離を入力するには、オフセット操作中にキーボードで数値を直接入力します。
この建物のオフセットは40cmであることがわかっているので、キーボードから直接「40cm」と入力し、
オフセットを作りました。
この段階で、「面」は二つあることに注意してください。
中心部分の面と、それを取り囲むオフセット部分の面です。
中心部分をプッシュ/プルし、立体を作ります。
立体の高さを2.7mにしました。
できた立体の上部分の面を選択し、オフセットをかけます。
先ほどとは違い、外側にオフセットをかけます。
オフセットは40cmです。
この場合にも面は2つあります。
それぞれ、プッシュ/プルで屋根部分を作っていきます。
屋根部分の高さは50cmです。
屋根部分ができあがりました。
建物の外観の一応完成です。
本来は余分な面や余分な線を削除するべきなのですが、ここでは省略します。
屋根に見えるオフセット前の余分な線は、実は建物本体の側面とつながっています。
このため、屋根の余分な線を消すと、同時に建物側面も削除されてしまいます。
このため、建物側面の見える部分と見えない部分を分割する必要があり、面倒なので省略することにしました。