ハネケイソウ Pinnularia nobilis (Ehr.) Ehr. スケールは全て10μm。

1. 殻面から見た殻の光学顕微鏡写真。原形質は事前に硫酸で処理され無くなっている。また、高屈折率のプルーラックスで封入されているため、殻の模様がよく観察できる。

2. 葉緑体表面を微分干渉顕微鏡で拡大した像。ポツポツと小さな顆粒状のものが見えるが、これが葉緑体の核様体である。

3-5. 同一試料の観察。 3. 透過可視光線で帯面の方向から見た葉緑体。 4. DAPI蛍光を放つ核と、葉緑体核様体(落射蛍光観察)。 5. DNase処理でDNAが分解され、DAPI蛍光を放たなくなった葉緑体(落射蛍光観察)。白黒写真のため、赤色の葉緑体の自家蛍光と背景の黒との区別がつかず、ほとんど真っ黒の写真となっている。


学名豆知識:

Pinnularia nobilis (Ehr.) Ehr.という学名の、最後についている命名者の名前「Ehr. 」は19世紀前半のドイツの偉大な微細藻類学者 Ehrenberg の省略形。

(Ehr.) Ehr. となっているのは、この種類の属名が途中で変更されたことによる。すなわち、最初は Navicula属の種類としてNavicula nobilis Ehr.の名で報告されたのが、後にEhrenberg自身によってPinnularia属に移し替えられたために、現在のような学名の書き方になった。

このような学名の付け方や変更の仕方は、すべて国際植物命名規約に詳細に定められている。