マスメディアは繰り返し流す。
「今の子どもは、おかしい」と
「今の子どもは、昔とちがう」と
子どもたちは、その情報を耳にする。そして私たちに聞く。
「今の子どもって、病んでいるんでしょう」
「今の子どもって、クズなんでしょう」
今どきの子どもであることに自信を失っていく。情報を流す人が、学者やジャーナリストなどの有識者が多いから、その影響は強力である。
こうしたマスメディアが流す情報は、カウンセリングの立場とは、かなり異なる。
カウンセリングでは、悪いところよりも良いところに目が向くように促す。そして、共感を重視する。
つまり、相手の「悪いところよりも良いところを」みて、自分と相手の「ちがう気持ち」よりも「同じ気持ち」を大切にする。
「学校へ行こう」というテレビ番組がある。なかなかの人気番組である。主役となるのは、いまどきの中高校生である。
かっこうやことばは、今風のものである。しかし、扱われているテーマは、友情、夢、恋愛、努力などの昔ながらのテーマである。
こうしたテーマは、昔も今も変わりなく、中高生の最大の関心事である。決して、古くさいテーマではない。
子どもたちは、バラエティという食べやすさのせいもあってか、共感しながらこの番組を楽しむ。
そして、かつて子どもだった大人も楽しめる。この番組を見ると、大人も、
「今の子どもも、けっこういいところあるね」
「今の子どもも、昔と変わらないね」
という印象を受ける。
「今の子どももいいところがある」「今の子どもも、昔と変わらない」。おそらく作り手側がもっていると思われるこのような暖かな視点は、番組を通じて、
子どもたちにもつたわっていることだろう。
ちなみに、「学校へ行こう」の出演者であるV6のうちの3人は、「新・俺たちの旅」というドラマをやっている。
昔あったドラマのリバイバルである。昔のドラマを知っている人には、登場人物は「新しい、今どきの若者たち」と感じるかもしれない。
今の子どもには、「古くさい、今どきめずらしい若者たち」と感じるかもしれない。
そして、大人も子どもも共感して楽しめる重なりがある。
個人的には、「今の子どもも、いいところがある」「今の子どもも、昔と変わらない」と強く感じるし、それを伝えていければと思う。
V6の仕事は、大切である。