(12月撮影)
実(10月撮影)
●イチョウの祖先が生まれたのは恐竜が世の中に出現した時代よりもっと前の時代。古生代と呼ばれる時代です。イチョウはマツやスギと同じ裸子植物ですが、もっと古い時代に世の中に登場しました。このため、いろんな点でオールドスタイルを踏襲しています。例えば葉。イチョウの葉は扇の様に開きますが、これは維管束が二又に分かれているため。これはイチョウよりもっと古いシダ植物に見られるスタイルです。
●イチョウの雄の株は4月初旬にバナナの房のような雄花(写真参照)から花粉を風に乗せて、雌の株へと運びます。雌の木に到着すると、今度は花粉から精子を生じるのです。この精子が雌の卵と合体して受精が起きるのですが、今日、樹木で精子を生ずるのはイチョウとソテツだけ。シダは全て精子を作るので、この点でもイチョウは樹木界の最長老です。
花(4月撮影)
●ぎんなん(銀杏)拾いをする子どもや大人の姿は学芸大の秋の風物詩の一つ。地面に落ちた銀杏を1つ、2つ見つけては、にっこり笑ってもち帰ります。ところが長い棒とバケツを幾つも抱えて、学外からやってくる人が毎年いるのです。鈴なりの銀杏はあっという間に無残な姿に。そして、立ち去った後には銀杏の皮がそこら中に散らかされています。そういえば春先の土、日の早朝には、農場の「たけのこ」を掘って持って行ってしまう人もいるそうです。みんなの植物。大切にしたいですね。