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■イロハモミジ
■カエデ科


実 (10月撮影)

●葉の先が、いろはにほへと・・七つに裂けて「イロハモミジ」。「イロハカエデ」とも呼ばれます。モミジに限らず、植物の葉は奇数に裂けるのが、ほぼ原則。これは、葉の中心を通る葉脈(主脈と呼びます)から、その両側に一対ずつ太い葉脈が増えているためです。葉という「薄い」構造を保ちながら、光合成を効率よく発揮するために、奇数の葉脈が適していたのでしょう。たまに、七つに裂けないイロハモミジの葉もありますが、その数は五つか九つ。やはり奇数なのです。


花 (4月撮影)

●複葉といって、複数の小葉から1枚の葉が構成される植物があります。複葉はモミジのような葉の切れ込みがさらに深くなってできたものと考えられています。たとえば、クローバーと呼ばれるシロツメクサの1枚の葉は3枚の小葉からできています。真ん中の小葉の左右に1枚ずつ小葉があって合計3枚。ここでも奇数です。4つ葉のクローバーが滅多に見られない理由はここにあるのです。


(10月撮影)


紅葉(11月撮影)

●紅葉したイロハモミジは、多くの人々に愛されます。海外では秋に葉が黄色になる樹木は多いのですが、葉が赤く紅葉する木は少ないため、秋に来日する外国人観光客にとって、紅葉は目玉観光の一つです。

ところで、この植物、花も赤色をしているのをご存じですか? 4月下旬、ケヤキが大量の花を落とす頃、5ミリ程度の小さな赤〜赤紫色の花がたくさん開きます。 萼も花弁も、そして花の付いている枝(花柄)までも赤いのです。 また、2枚のプロペラ状の翼果と呼ばれる果実も、若いうちから赤色をしています。 注意していれば必ず見つけられるので、頑張って探してみましょう。


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