実 (8月撮影)
●河原や沢沿いでしばしば見かけるオニグルミ。青い実を土の中に埋めて果肉を腐らせば堅い殻だけが残り、それを割れば、食べて美味しいクルミの“種子”が登場します。
●クルミ類の殻は堅くて腐りにくいため化石になりやすく、その進化の歴史も知られています。
一番古いクルミの殻の化石を日本で発見し報告したのは、意外にも「銀河鉄道の夜」などの童話で知られる作家の宮沢賢治です。太古のクルミの殻は大きくて、オニグルミの倍以上の大きさのものもありました。
(7月撮影)
●賢治の発見した種類はオオバタグルミといい、今のクルミより殻の溝が深く、300万年前から110万年前にユーラシアやアメリカで繁栄していました。マンモスの骨と一緒に発見されたものもありますが、現在では絶滅しています。
●輸入されるクルミはカシクルミ、ペルシャクルミといってアメリカ、中国からのものが多いのですが、長野県産のシナノクルミという品種も市場には多く出回っています。また、オニグルミは脂肪分が多く上品な味がするため、各地で料理や菓子に使われています。
雄花(4月撮影)
雌花(4月撮影)
●オニグルミの花は4月下旬に咲きます。雄花は緑色で穂状に垂れ下がりますが、雌花は上向きで先端が赤い色をしています。共に気をつけていないと見逃してしまう花かもしれません。