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■マユミ
■ニシキギ科


実(10月撮影)

●なんとも美味しそうなピンクの茶巾絞り!でもこれは1センチ弱の小さなマユミの実です。 枝がよくしなり強いため、古は弓の材質に使われていました。それで「真弓」の名がつい たのです。弓は竹だけでできていると思われがちですが、中には木が入っているのです。

●マユミの実は完熟すると4つに裂け、中から真っ赤な種子が顔をのぞかせます。大学構内 には4本あります。

●和菓子を彷彿させる綺麗な実ですが、中に入っている赤い種子の皮には、中毒を起こす脂肪油が含まれています。量によって症状は異なりますが、嘔吐、下痢、筋肉麻痺等の症状を引き起こすので決して食べないように。

●昔は、この成分を利用して、頭のシラミ駆除に使っていたそうです。

●マユミには雄の木(雄株)と雌の木(雌株)があります。雄株では当然のことながら実が実りません。ですから、売っているマユミの木はすべて雌の木なのです。写真のピンクの茶巾の真ん中から飛び出している、ろうそくの芯のようなものは雌しべの名残です。


実(10月撮影)

●万葉集では、好きな人の袖を引く(誘う)ことの掛詞として、恋歌にも登場。

「み薦(こも)刈る 信濃の真弓 吾が引かば 貴人(うまひと)さびて 否と言はむかも」。

「み薦刈る 信濃の真弓 引かずして 強ひざるわざを 知ると言はなくに」。

これらは、久米禅師と石川郎女の相聞歌として知られています。


(10月撮影)


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