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■ロウバイ
■ロウバイ科


花(2月撮影)

●漢字で書くと「蝋梅・臘梅」。でも、梅の仲間ではありません。梅の仲間なら花びら(花弁)が5枚。太宰府天満宮の神紋の梅鉢も5枚ですね。ところが、ロウバイの花はどれが花弁でどれが萼(がく)かわかりません。そしてその数は実に16以上。でも、数が決まっているわけではありませんし、八重咲きでもありません。八重咲き植物では雄しべが花弁に変化しますが、ロウバイにはちゃんと雄しべがあるのです。香気を楽しみながら観察してみてはいかがでしょうか。


花(2月撮影)

●花弁と萼片の区別がつかないとき、それらを合わせて花被片と呼びます。大学のロウバイは花被片がすべて薄黄色で、ソシンロウバイ(素心狼狽)と呼ばれる栽培品種です。

ロウバイのように花弁と萼片の区別がつかない場合、両方をまとめて花被片と呼んでいます。ユリの花も花被片でできています。ロウバイの花被片は外側から螺旋状に並んでいます。このような並び方はモクレンやスイレンの仲間に見られるもので、原始的な植物がしばしばもつ特徴です。

●ロウバイは江戸時代の初期、後水尾天皇(1611〜1629年)の時に、朝鮮半島から渡来した植物です。ロウバイの花被片はちょっと透明がかっていて、ろう細工のような感じです。それで「蝋梅」。でも、ロウバイから、ろうそくのロウは作りません。中国ではロウバイの花やつぼみから蝋梅油を取りますが、これには抗菌作用や抗炎症作用があります。

●和ろうそくは植物から作っています。多くはハゼノキの実が使われます。ハゼノキはウルシの仲間で秋には真っ赤に紅葉する木です。この実を蒸して搾り、蝋成分を取りだし、和ろうそくが作られます。西洋のろうそくは、元はミツバチが巣を作るときに分泌する蜜蝋や鯨油から作りましたが、現在では、石油から作られるパラフィンなどを原料としています。


(2月撮影)


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