■ケヤキ
■ニレ科
●「215」何の数だかわかりますか?これは学内にあるケヤキの本数。 ケヤキは学内で第4位の数を誇る植物です。ところで、どうして枯れ枝かって? 枝の上をよく見てください。小さなこぶ状の実が4つ見えます。これは結果枝 といって実を付ける枝なのですが、この結果枝、葉だけを落葉させません。枝の 付け根から落葉するのです。木枯らしの吹く日など、結果枝は風に乗って、樹木から 離れたところへ飛んできます。種子を遠くへ散布するケヤキ独特の生存戦略です。
●ケヤキは4月に若葉を芽吹くと、すぐに小さな雄花と雌花をつけます。役割を終えた雄花と、受粉しなかった雌花は、すべて樹下に落ちてきます。5月の連休後くらいに、地面にトンブリの実のようなものが大量に落ちているのを、見た人は大勢いると思いますが、これは落下したケヤキの花だったのです。
●構内いたる所に見られるケヤキは武蔵野を象徴する樹木の一つ。これらの木々は昔からここに植わっていたと思われがちですが、ほとんどの木は1963年以降に植えられたものなのです。
実際、戦前からあったものは、体育科棟北側に斜め一直線に並んだ9本のケヤキのみで、これらは当時その地にあった、農家の防風林として植えられたものなのです。
●初めは幹も細く、まばらに植えられた感のあった木々も、40年余りで見事な高木に育ち、今では少々混雑気味になった場所も見られるようになりました。ケヤキは100年以上も生き続けるので、今後予想される枝の過密状態が心配です。健康なケヤキを多数残すためには間伐が必要ですが、せっかく育った木を切ることに、抵抗感を持つ人は多くいます。また、移植には1本につき数十万円が必要です。これから60年先の学芸の森のあり方について、皆さんも一緒に考えてみませんか?
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