■コデマリ
 ■バラ科


花(5月撮影)

●まぁるい花を小さな手鞠に見立てて、それで「コデマリ」。 でもよく見ると、もっと小さな花びら5枚の花が20個以上も集って 1つの手鞠を作っていることがわかります。お勧めは、この手毬を 裏から覗くこと!縫い針のように繊細な枝が、傘の骨のように幾何学 的に放射して並んでいます。これはもう「お見事」の一言につきます。 自然界が創った造形美を是非一度ご覧ください。


花(5月撮影)

●コデマリの花の集合(散房花序)では、鞠の上の方へ伸びる枝と横の方へ伸びる枝が、ほぼ等しい長さになっています。それで全体として鞠のような形に見えるのです。

また、細かに観察すると、その枝は下から上へと螺旋を描きながら配列していることがわかります。学名のSpiraeaの意味は螺旋を意味するラテン語で、cantoniensisは中国の広東を意味しています。


花(5月撮影)

●本種はもっと早い時期に咲くユキヤナギと、1つ1つの花の形がよく似ています。それもそのはず、両種は同じシモツケ属の植物なのです。シモツケ自身は6月に濃いピンクの花を咲かす植物で大学構内でも数カ所に植わっています。

●学名からもわかるように、中国が原産地ですが、本種の英語名は、またちょっと違う意味をもっています。リーブズ・メドウスウィート (Reeves' meadowsweet) がそれで、直訳すれば“リーブズさんの牧場の甘い香り”。Medowsweetはそれ自身がシモツケを表す英語です。


(5月撮影)

●コデマリに似た名称のオオデマリは、分類上は全く違う仲間の植物で、スイカズラ科に属します。こちらは大学内にある電話ボックスの横で、6月頃に花を咲かせていますので比べてみるとよいでしょう。

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