■ニワトコ
 ■スイカズラ科


花 (4月撮影)

●3〜5ミリ程の小さな花が群がるように咲きます。咲く前のツボミは、まるでブロッコリーのようです。 5に裂けた花びら(花冠)をもちますが、淡緑色で反り返っているのであまり目立ちません。 しかし、花と花の付いている枝(花序の中)から出る密、それと香気で昆虫を呼び寄せます。

秋には赤い実が実りますが、大学構内のものは鳥に食べられてしまい、残念ながらほとんど見かけることはありません。


花(4月撮影)

●ニワトコは古くから人の生活と関わりをもってきました。果実で酒を造る、小正月の飾り付けに使う、湿布薬として使うなど、また、魔除けとしても用いられていたそうです。変わったところでは、ニワトコを切って枯らし、そこに生えるキクラゲを収穫するというのもあります。


(4月撮影)

●ニワトコは日本と朝鮮半島に分布する植物ですが、その近縁種は世界のいたるところに生育しています。 ヨーロッパに生育するセイヨウニワトコはドイツやオーストリアでは、とてもポピュラーな植物で、 庭先などによく植えられています。

ドイツ語でホルンダー(Holunder)と呼ぶのですが、花や実からシロップを作り、 風邪の時や飲み過ぎの後に飲んだり、単に水やソーダで薄めて清涼飲料水として飲んだりします。 今日でもホルンダーブリューテンシロップといって家庭で作りますし、瓶詰めの製品も売られています。

香りが素敵なこのシロップは日本のニワトコの花でも作ることができます。ニワトコの花に、レモン汁を加え煮沸した砂糖液をかけて1〜2日間おき、ろ液を煮沸すればできあがり。30分もかかりません。

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