■ヒイラギナンテン
 ■メギ科


花(3月撮影)

●1本の真上に伸びる細い幹から、放射状に羽状複葉の葉が茂る独特の樹形をしています。複葉というのは1枚の葉の切れ込みが深くなり、あたかも複数の葉から構成されているように見える葉のことです。ヒイラギナンテンの一見、対生に見える葉は小葉といって、1枚の大きな複葉の構成要素です。

葉は枝から生えるもので、葉の付け根と枝との間(この部分を葉腋という)には、次に成長する「芽」が作られます。けれども、小葉と小葉がついている葉軸(複葉の中心部を通る枝状の部分)との間には「芽」は作られません。


葉(6月撮影)

●複葉は同一平面に小葉をもつものが多いのですが(ヒイラギナンテンはその例です)、必ずしもそうでないのです。例えば、ヒイラギナンテンと同じメギ科に属すナンテンのように、複葉とわかりにくいものもあります。

●ヒイラギナンテンの鋭い棘のある葉はヒイラギに似ています。また、ヒイラギナンテンの2枚の小葉は葉軸に対生しますが、ヒイラギの葉も対生しています。ところがヒイラギの葉は複葉ではなく単葉です。一つの枝に対生する葉は同一平面につかず、一組毎に90度ずつ互い違いになって配置しています。

●ヒイラギナンテンの花の花弁はどれでしょうか?花の周囲に開いている一番それらしいものは萼で、花弁は花の中心部にある壺状に立った部分で、計6枚あります。


実(6月撮影)

●6月には青紫色の実ができます。その後、次第に熟し、黒紫色になると完熟です。

●常緑樹ですが冬から春にかけて紅葉が見られます。

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