■ユズリハ
■ユズリハ科
●これは、いったい何でしょう?傘を真下から見上げたような形にも見えますね。 私たちは植物を上か横、あるいは斜め下から見ることが多いのですが、真下か ら見てみると、まったく違った姿に出合えます。
これはユズリハの雌の木です。 葉はしめ飾りや、鏡餅の装飾に使われるので、名前を知っている人もいるで しょう。しかし、植物に詳しい人でも、この角度の写真では名を言い当てられ ないかもしれません。視点を変えてものを見ると、驚きや発見があります。 これは植物だけでなく、すべてのことに当てはまることですね。
●ユズリハは冬でも葉が枯れず青々と茂る木で、春先に新しい葉が一斉に芽吹いた後、古い葉が夏から秋にかけて落葉します。これを親から子へ代が替わることになぞらえ、「譲り葉」の名前が付きました。
正月飾りではダイダイの実や、シダ植物のウラジロと共に飾られますが、そこには家系の繁栄や福寿の意味が込められています。
●ユズリハの葉は厚手で柄(葉柄)が長いことが特徴で、学名にあるmacropodum(マクロポドゥム)は「長い柄の」という意味のラテン語です。
●多くのユズリハの葉柄は赤色で特徴的ですが、たまに柄が緑のものがあります。学芸大学の農場にある1本の雌株はこれに当たる珍しいものです。これ以外の学内のユズリハはすべて雄株で、葉柄はおなじみの赤色をしたものです。
●ユズリハは福島県以南、沖縄までの山野や庭に育つ木で、韓国、中国中部まで分布しています。
●雌花、雄花ともに花弁が無く、あまり目立たない緑色系の花ですが、雄花のつぼみは紅色でよく目立ちます。
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