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2021/10/25

山陽学園中学校・高等学校の図書委員会作成「石井十次マップ」

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上

 夏休み明けに、山陽学園中学校・高等学校図書委員会作成の「石井十次マップ」をいただきました。マップ作製までのお話を伺ったところ、毎年図書委員会が探究活動に取り組んでいること、それを司書の田中麻依子さんがサポートしていることを知り、活動の様子を執筆いただけないかとお願いしました。成果物は公共図書館で、展示を行い、マップは地元の様々な場所に置かれているとのこと。地域に密着した素晴らしい探究活動の記録です。(編集部)



図書委員会による探究活動

山陽学園中学校・高等学校 司書 田中 麻依子


はじめに

岡山市にある私立の中高一貫校、山陽学園中学校・高等学校の図書委員会は、通常の図書委員が行うカウンター当番や新着図書の処理に加え、読書推進の一環で、アニバーサリー作家や旬の話題などテーマを一つ取り上げ、年間を通じて探究する活動を行っている。

 例えば、夏目漱石が生誕150周年を迎えた年は、ゆかりの愛媛県を訪ねる研修を行い、漱石について学び、漱石未完の小説『明暗』の続きのストーリーを考えて冊子にまとめた。元号が「令和」に決まった年は、「令和」の出典で話題となった「万葉集」をテーマに、鳥取県の因幡万葉歴史館への研修に行ったり、講演会を聴講したりする中で、リービ英雄著『英語でよむ万葉集 (岩波新書)』の存在を知り、生徒も万葉集の英訳に挑戦した。


生徒の興味を生かしたプランニング

 さて、今年度はこのコロナ禍で、県外での研修は無理……何をテーマにする?と高3が話し合い、近場でフィールドワークを行える「石井十次」に決まった。 

 「石井十次」は児童福祉の概念がなかった明治時代に、日本で最初の孤児院を岡山に設立した人物である。本校とも関係があり、学校近辺にはその息吹が残っている。また、岡山県では有名な偉人で、十次を研究している人、団体も多い。まずは、4月に石井十次に詳しい地域の方を招いて、勉強会を開いた。 

 生徒が最も興味を持ったのは、石井十次の恋愛事情だった。岡山には十次の妻の品子の墓があることを教えていただき、「見に行きたい」という声が上がった。また、地域の方々が十次について調べるにあたり、『石井十次日誌』を使っているというお話を聞き、早速本校図書館に所蔵していたものをみんなでのぞき込んだ。多い時で1200人もの孤児を育てていた十次だったが、日誌には一人一人の様子が細かく記載されている。生徒は衝撃を受けているようだった。(左上写真:『石井十次日誌』をのぞき込む様子) 


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