授業と学校図書館

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2018/09/04

受験会場は学校図書館!~工学院附属中学高等学校「思考力テスト」

Tweet ThisSend to Facebook | by 村上

 今回は、工学院大学附属中学・高等学校の司書教諭 有山裕美子先生(写真右)に中学入試のひとつとして行われている「思考力テスト」についてお話を伺いました。別名「図書館入試」とも言われるこの試験は、受験生である小学6年生が、工学院附属中高の図書館にやってきて、10分ほどの館内利用オリエンテーションを受けた後に、思考力テストと書かれた冊子が配布され、与えられた課題を行うものです。


 2016度の入学試験問題をいただきましたので、そこから簡単に内容をお伝えします。
冊子の表紙には、以下の注意事項が書かれています。 

1. 開始合図のベルが鳴るまで、この問題用紙の中を見てはいけません。
2. 開始合図のベルが鳴ったら、問題用紙と解答用紙の受験番号・氏名の欄に書きなさい。
3. 試験時間は90分です。
4. 解答はすべて、指示にしたがって、問題用紙の解答欄に記入しなさい。
5. 試験時間内であれば、自由に図書館内を歩いて、必要な資料を探してかまいません。また、資料は自分の机で使用してもかまいません。なお、使い終わった資料は、試験終了後、所定の位置に戻すこと。
6. 問題用紙で、印刷がはっきりしないところなどがあったら、静かに手をあげなさい。
7. 答案ができあがっても、試験終了の合図のベルが鳴るまで静かに着席していなさい。


 開始の合図と共に冊子をめくると、まず目にはいるのが、次の言葉です。


思考力テスト
 今日は、図書館を使ったテストを行います。これから自分でテーマを決めて、そのテーマの内容について、図書館で調べながら、かんたんなレポートを完成させます。

 

 受験生は限られた時間のなかで、自分の決めたテーマについて、図書館の資料を駆使してレポートを完成させなければならないのです。このテストのユニークなところは、出来上がったレポートだけを見て評価するのではなく、レポートを完成させるまでの過程や、振り返りまで評価の対象としているとことです。


Step1  テーマを絞ろう(配点10)
 テーマ設定にあたり、大きなテーマは与えられています。この年は「生物」が大テーマです。テーマを絞るためにマンダラート(3×3の9マスの表。アイディアを整理し、思考を深めるために使う)の中央に生物という言葉がすでにはいっているので、受験生は外側の8つのマスを埋めていくことになります。マンダラートを初めて目にした受験生のために、「食べ物」を大テーマとし、連想する言葉を外側のマス書いた例が載っています。さらに、自分が書いた言葉から一つ選んで、それをまた新たなマンダラートの真ん中に書き、外側のマスを埋めて、最終的には、自分のテーマとなるべき言葉をひとつ決めるよう指示されます。
 テーマが決まれば、資料を探すことになります。


Step2 資料をさがしてみよう
 図書館内を歩いて資料をさがします。使えると思った本は、何冊選んでもいいそうです。注意事項として書いてあるのは、最低2冊以上の資料を使うように、ということです。

(写真左は、試験会場となる工学院附属中高図書館)


08:49
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