中学生が作る「民主的読みもの」

2026-06-05 13:49 | by 野呂 |

川中だいじさんをご存じでしょうか。

彼の信条は「誰にも遠慮せずに書きたいことを書く」。
2023年春に「日本中学生新聞」を創刊して以来、著名政治家や社会問題の現場に自ら足を運んでは、自分の言葉で取材と発信を重ねている今注目の現役中学生記者です。

そんな彼の初めての著書が、今から紹介させていただく『こちら日本中学生新聞』です。

『こちら日本中学生新聞』川中だいじ 2026年 柏書房 ISBN978-4--760156658

この本を紹介してくださったのは、本校の教員である社会科担当の宮田浩行先生。
6年生社会科の授業で、取り上げるとのことでした。
メディアルーム内の「話題の本コーナー」に置いたところ、すぐに貸出され、今は予約が入るほどの人気の1冊です。

6年生は、1学期に日本国憲法や国民主権などを学んでいきます。
宮田先生にご紹介いただくまで川中さんを知らなかったのですが、いざ本を読んでみると、政治や選挙が自分とどのように関わっているのか、子どもたちが自分ごととして捉える上で彼のような存在がいることは非常に意義があると感じました。

以下、ご紹介いただいた宮田先生へ、「なぜ授業でこの本を紹介されたのか。」を伺った際に頂いたコメントです。

 「まずは国民主権の文脈で選挙を位置付け、その選挙に関わる候補者にきちんとインタビューをする、それが中学生であるということが大きいです。
 また、その中学生は学校で学んだことが学年が進むほどにウソになっていく現実に嫌気がさし、本当の民主主義を実現するためにどのようなことが必要なのか、子ども目線で描かれていることも非常に重要です。
 小学校の社会科の学習は理想論なのか、中学校の校則などは憲法に悖るものではないのか、とても考えさせられます。
 さらには三権分立ではなく四権目としてのメディアのあり方としての機能としてもつなげて考えました。
 
 奇しくも授業で扱った5月14日の翌日、出版社の柏書房に川中さんへのSNSにおける誹謗中傷の記事があがりました。
 なのでその次の授業で基本的人権と、国際的な条約としての子どもの権利条約をつなげて考える材としても紹介しました。
 あまりにタイムリーな事例で、正直驚きましたが、児童にとっても社会の現実を捉える大きな学びとなりました。
  とにもかくにも、このタイミングで川中だいじさんのことを通して学べたことは、社会のモデルとして非常に意義の大きなものだと思いました。」

 川中さんは、テレビ大阪の公式YouTubeチャンネル「大阪News【テレビ大阪ニュース】」にも出演するなど本に限らず、様々なメディアで発信しているそうです。 川中さんのように、「自ら動く」という姿勢、大人も見習わなくてはと痛感しました。

               (東京学芸大学附属世田谷小学校 学校司書 野呂昭子)


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