レポート 12.
物質波について調べましょう。
1.量子力学においては物質は「物質波」という波であるといわれています。その波長λはλ=(h/p)となります。ここでhはプランク定数(6.624×1034 J s)、pはその運動量です。それでは質量70Kgの人が時速4Km で歩いているとして、この人の波長はどれだけでしょうか。
2.上でわかるように、量子力学的な「物質波」の効果は日常的なスケールの中では現れそうにありません。そこで、電子の波長を計算してみましょう。
2-1. 電子の電荷は-1.9 ×10 19 クーロンです。1ボルトの電圧で加速された電子のエネルギーを1電子ボルト(eV)という単位であらわします。1eVとは何ジュールでしょうか。
2-2. 100電子ボルトの運動エネルギーを持つ電子の波長を計算し、それが原子の大きさ程度(10-8cm)であることを示しなさい。電子の質量は
0.911×10-27 gです。
2-3.
電子の波動性は結晶による回折で確かめられました。それは、結晶面の間隔を
d とするき、2d sinθ=nλの条件を満たす場合に電子の散乱が強く起こるというものです。θは電子が結晶面に入る入射角(=反射角)です。θを90度、d=4×10
-8cm
として、電子の運動エネルギーの値いくらの時に反射強度が大きくなるでしょうか。n=1,2,3・・・について計算しなさい。運動エネルギーの単位としては「電子ボルト」を使いなさい。