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2010年度 金曜日 前期 英語教育学リサーチデザインA 2010.04.23
Research Design A

::::課題::::

Warm Up
 今年も研究方法と取り組む時期がやってきました。
まずは、頭の体操を始めるためのウォーミングアップ。自分の頭でよく考えることを始めるために次のような課題を設定しました。
English is used by many people as a common language.という文があります。これを高校1年生にDictation(文を区切らず二回聞かせてから書く)させたら次のような解答が出てきました。
1. English is used by many people as a common language.
2. English is spoken by many people as a common language.
3. English is used by
4. people as a common language
5. English used many people common language
以上の解答の配点を考え(10点満点)、その理由を考えて下さい。そのうえで、自分の理論を支えるための証拠を研究から得るとしたら、どんな研究をしてどのような証拠を導き出すか、研究の概要を書いて下さい。
Good Luck!

 

◆受講者から出たデザインは・・・

・内容語がすべて理解できていれば、文の内容理解ができているということを実証する研究
・各生徒の解答が記憶力に頼った物であるか否かを確かめる研究
・英語の構文(文法)を理解し、使いこなせる学習者は、dictation問題においてその構文を書き取ることができるかを調べる研究
・文の構造を理解し、かつ、語彙の書き取りが出来る学習者は、dictationができるかどうかを調べる研究


◆金谷先生のコメント:

・5は内容語が書けているが、内容が理解できているかどうかは怪しい
・2のような解答はネイティブでもあり得る
・3の解答は前半だから書き取れたのか、それとも、SVの部分だから書き取れたのかは調べる価値がある→SVが文頭にない文だとどうか



::::次回の課題::::

早期英語教育の効果
 Warm upはおしまい。いよいよゼミ本番です。脳漿を絞って、とことん考える練習を本格的に始めてもらいます。

 さて、第1回目のトピックは早期英語教育の効果です。

 2011年からいよいよ公立の小学校で外国語活動(事実上は、英語活動)が5, 6年生を対象に全面的に必修化されます。英語ノートの一応、2011年には配られるようです。しかし、小学校の先生にとっては不慣れなことで、当分の間、混乱が続くと考えられます。また、もうその先を見越して、英語の教科化についての議論も始まってきているようです。

 このような状況下で、世間一般には早期英語教育にますます大きな期待がかけられています。しかし、話題になっている割に、データを示して行われる議論はあまり多くありません。実際に、早期英語教育には効果はあるのでしょうか。あるとしたら、どんなところにどんな形であらわれるのでしょうか。

今回はこのトピックで実証研究を企画してみて下さい。

「効果」というとき、それには少なくとも次のような要素を考慮しなければなりません。

1) 短期的効果か長期的効果か。(あるいはその両方か。)
2) どこに効果が現れるか(英語力なのか、それ以外の面なのか)。さらに英語力なら英語力のどんな側面か、英語力以外なら具体的にどんな面に影響するのか等も考える必要があります。
3) 早期教育の内容に関わるのか、早く始めるということが大切なのか。

 皆さんはどんな効果を期待しますか(あるいは期待しないのですか)。期待する効果についてまず述べてください。たとえば、態度の面で長期的に見た場合効果があるなど。(これがあなたの早期教育についての理論です)。もちろん、どの側面にも効果はないと思う人もいつかもしれません。それは、それでOKです。
 どのような理論であっても、自分の理論を支えるための実証研究を企画して、その研究計画(research proposal)を書いて下さい。

 ポイントは研究方法です。あなたの理論を支える証拠を、どのようにして(how)得るのかを示すことがこのゼミで一番大切なことです。Howがなければ研究はできません。また、研究方法を考えつくには、自分の研究課題を考え抜くことが必要になります。証明をする必要がなければ人は本当に真面目に考えません。このゼミで「方法」を扱っているのはそのためです。

 それから前回も書きましたが、研究計画書はなるべく詳しく書いて、他人様がそれを見てあなたが意図した研究を実行することができるように配慮して下さい。