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2010年度 金曜日 前期 英語教育学リサーチデザインA 2010.4.30
Research Design A

::課題::

Reserch Topic Inventory
早期英語教育の効果について@
 Warm upはおしまい。いよいよゼミ本番です。脳漿を絞って、とことん考える練習を本格的に始めてもらいます。

 さて、第1回目のトピックは早期英語教育の効果です。

 2011年からいよいよ公立の小学校で外国語活動(事実上は、英語活動)が5, 6年生を対象に全面的に必修化されます。英語ノートの一応、2011年には配られるようです。しかし、小学校の先生にとっては不慣れなことで、当分の間、混乱が続くと考えられます。また、もうその先を見越して、英語の教科化についての議論も始まってきているようです。

 このような状況下で、世間一般には早期英語教育にますます大きな期待がかけられています。しかし、話題になっている割に、データを示して行われる議論はあまり多くありません。実際に、早期英語教育には効果はあるのでしょうか。あるとしたら、どんなところにどんな形であらわれるのでしょうか。

今回はこのトピックで実証研究を企画してみて下さい。

「効果」というとき、それには少なくとも次のような要素を考慮しなければなりません。

1) 短期的効果か長期的効果か。(あるいはその両方か。)
2) どこに効果が現れるか(英語力なのか、それ以外の面なのか)。さらに英語力なら英語力のどんな側面か、英語力以外なら具体的にどんな面に影響するのか等も考える必要があります。
3) 早期教育の内容に関わるのか、早く始めるということが大切なのか。

 皆さんはどんな効果を期待しますか(あるいは期待しないのですか)。期待する効果についてまず述べてください。たとえば、態度の面で長期的に見た場合効果があるなど。(これがあなたの早期教育についての理論です)。もちろん、どの側面にも効果はないと思う人もいつかもしれません。それは、それでOKです。
 どのような理論であっても、自分の理論を支えるための実証研究を企画して、その研究計画(research proposal)を書いて下さい。

 ポイントは研究方法です。あなたの理論を支える証拠を、どのようにして(how)得るのかを示すことがこのゼミで一番大切なことです。Howがなければ研究はできません。また、研究方法を考えつくには、自分の研究課題を考え抜くことが必要になります。証明をする必要がなければ人は本当に真面目に考えません。このゼミで「方法」を扱っているのはそのためです。

 それから前回も書きましたが、研究計画書はなるべく詳しく書いて、他人様がそれを見てあなたが意図した研究を実行することができるように配慮して下さい。

 

受講者が持ち寄ったリサーチデザインについて自由に意見を交わしました。

◆受講者から出た主なデザインは・・・

・小学校外国語学習によって、英語によるコミュニケーションでの積極性を高めるか
・小学校外国語学習によって、英語の発音能力を高めるか
・小学校外国語学習によって、リスニング力を高めるか

◆金谷先生のコメント:

・アンケートでは態度などの情意的な面を測定することは出来ない  アンケートで調査することが出来るのは「英語学習をいつから始めたのか」など時期・量・頻度など個人の感情などに左右されないものを測定するために用いるほうがベター。
・早期英語教育を見る視点として ・時期の差なのか ・やり方の差なのか などがある。 また長期的効果を見る場合は、多くの量を見て、グループ間に何らかの差がないか その変化の要因は何か
・早期英語教育だからといっても小学生だけ見るのではなく、色んな視点から調査する必要がある  例:早期からやった人、中学校から英語教育を受けた人→大学生までの差異が生じないか
・早期英語教育による効果によるものなのか、発達段階によっての行動の変化によるものなのか、それぞれを見分ける必要がある。
・早期英語教育の学力に関して、長期的データは少ない(最長でも高校1年くらいまでのもの)  小学校から英語教育をやっている人を追っかけて大学生の段階での調査もやってみるのはどうか?
・・異文化に対する態度など情意的な側面を測るには機械などで心拍数を調査するのも一つの手→いろんな道具を使ってみるという発想を持つことが大切。
・中学校の先生に反応を調査することも一つの手段。その場合は多くの数を見ていくこと。
・調査を行う場合、横での変化を見ることが難しければ、縦で変化がないかどうか調査する手法を行う視点を持つべき。

::::次回の課題::::

書き直し

書き直し 今日の議論をもとに、もう一度リサーチデザインを練り直すべし。前回作ったものとまったく違うもの、前回のをbrush upしたもの、今回議論した論文の改良版など、どんなものでも構わない。