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2010年度 金曜日 前期 英語教育学リサーチデザインA 2010.6.04
Research Design A

::::課題::::

必要な文法用語、不要な文法用語A
前回の議論をもとに、もう一度リサーチデザインを練り直すべし。前回作ったものとまったく違うもの、前回のをbrush upしたもの、今回議論した論文の改良版など、どんなものでも構わない。

 

受講者が持ち寄ったリサーチデザインについて自由に意見を交わしました。

◆受講者から出た主なデザインは・・・

・英語力に違いによって英語の文法用語の習得率に差があるかを調べる研究
→用語に関する例文を挙げさせるというテストは難しすぎるのでは!?
→時が経つにつれて用語が理解しやすくなるのかを調べる研究も面白い


・文法用語を提示するタイミングによって、理解度に差が出るかを調べる研究
→「目的格」という用語を出した時点で、格という概念に触れる必要が出てくる=用語の問題とは限らない
→用語を出す指導の効果と出さない指導の効果はあまり差がないのでは!?

・文法用語を用いながら文法ルールを演繹的に指導する手法と、例文や意味を提示しながら帰納的に文法を指導する方法のどちらが生徒の習得率を上げるかを調べる研究
→演繹的指導vs帰納的指導というのは、用語を使うvs使わないというのとは別の問題であるので、4パターンに分けてみてはどうか!?
→テストで英語力(今回の場合は不定詞の理解度)のどういう側面を測ろうとするのかを考える必要がある

・仮定法に関する各用語の要不要を、用語判断テストと文法テストの正答数から調べる研究
→仮定法の用語というより、仮定法という概念自体が難しい
→仮定法現在は今ではあまり使わないので、そもそも教える必要がないのでは!?

・関係詞の制限・非制限用法、限定・継続用法のどちらの用語が学習者にとって分かりやすいのかを調べる研究
→用語を選択させるのではなく、自分で作らせてみるのも面白い
→選択させるの理解度を問うテストは、限定用法と継続用法の訳の区別がはっきり分かるような問題にする、あるいは、和訳ではなく概念の区別を問うような問題にすべきでは!?

など

◆金谷先生のコメント:
・前回も言ったが、用語自体の問題と概念の問題を混同しないように注意すること、
・教授法の善し悪しを比較するような研究は、教授法以外にも色々な要素が影響するのでかなり難しい
・実験はなるべく簡単なものの方がよい。面倒な実験だと協力者が少なくなる
・研究結果によって明白な結果が出た場合、それによって何かを変えるような研究をすべし。そうでなければ研究の意味がなくなってしまう


::::次回の課題::::

態度は測れるか
 4つ目のトピックは、昨今大はやり(?)の態度問題です。現行の学習指導要領では、英語教育では「積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育成する」ことになっております。
 
さて、この「態度」ですが、それを育成するのはよいとして、育成されたがどうかをどうやって確認するのでしょうか。もともと確認できるものなのでしょうか。確認できるとしたらどのくらいできるものなのでしょうか。今回はこれがテーマです。

 ペーパーテストで測れるでしょうか、授業観察で行きますか、生徒同士の評価は、生徒個人の評価は有望でしょうか。などなど、方法としては、いろいろ候補はあることはありますね。

 まず、「コミュニケーションへの態度って何なのでしょう。文科省は、学習に対する態度ではなく、あくまでも「コミュニケーションへの」態度だということ強調しています。いずれにせよ、定義をしないことには話しは先に進みませんね。また、その定義が多くの人にとって、しっくりする自然なものでないといけません。

 態度が定義できたところで、態度測定の方法を考えてみて下さい。もちろん、測定できるものではないという立場に立って、測定できないことを示す研究デザインでも構いません。

 出来るという立場の人は具体的に方法を提示した上で、どの程度その方法で態度が測れるのかを証明する研究デザインを作ってみて下さい。

 もう3つのトピックについて考えました。そろそろ研究計画がどのようなものかぼんやりとわかってきたかと思います。前回も書きましたが、研究計画は料理のレシピのようなものです。レシピは人が見て、ちゃんとその料理を作れるようなものでなければいけません。それと同じで、研究計画に計画をたてた本人でなければわからない部分(あるいは、本人でもわからない部分)があると、他人が実行することは出来ません。他人様にも実行してもらえる計画を立てるよう努力してみて下さい。

「正解」がないということはいつもと全く変わりません。