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2011年度 金曜日 前期 英語教育学リサーチデザインA 2011.05.20
Graduate Seminar A on TESOL Research Methodology 2010
Topic 1の3回  5文型は英語習得に役立つか リサーチデザインの書き直し

・No.4 文献比較による。なるべく実験しないで研究したいと考えた。
STEP1 目的@他の語学における文型の扱われ方の現状把握。Aそもそも文型という概念が確立されているか。対象:各語学の日本語で書かれた文法書。印欧系、アジア系、中東系、アフリカ系。
STEP2 目的:外国語学習(特に英語)において文型に固執するのは日本だけなのか。対象@アメリカやイギリスなどの英語圏での英語の文法書。特に外国人が学習するためのもの。A可能なら、他言語で書かれた英語の文法書。
STEP3 目的:5文型の学習が、浸透していない国の英語の実力調査。対象:国ごとのTOEIC、TOEFLE、IELTS等の文法項目に関連するスコアの比較。

☆方法は何でもいいが、コスト的には一番低いほうがいい。ただし、大儲けできなければダメ。コストがかかって結果もろくなものではない、というのが一番ダメ。自分の知りたいことを最も効率よく知る方法を考えるべし。とにかく実験しないようにする、と決めるのも良くないが、今回最初にNo.4を選んだ理由。

・STEP1を行う必要は?
・知りたいから。論文検索をしても、中国語や韓国語では出てこない。日本人が他の言語を学ぶときに、文型はあまり登場しない。英語にもいらないのでは。
・英語以外に文型の項目がないなら、逆に英語には文型が必要なのではないか。
・文型の解釈が言語により異なるのではないか。まず、そもそも文型とは何かを定義すべきだった。

☆文型は、日本人の発明ではない。輸出先の日本と、輸出元で、売れ行きが違う。日本語に文型がないのは助詞があるから。英語の意味は動詞との位置関係で表す。助詞を用いる言語の国の英語の文型を見てみるのも手。フランス語、ドイツ語では、なぜ文型をやらないか。実験を行わない方法としては適切か。
・フランス語を勉強していた時、英語の文型を当てはめていたと思う。
☆それを国際比較で調べるにはどうするか。今のようなことが、他の国で起こっているかどうかを見ればいい。

・文型をどう定義するかで、結果は大きく変わってしまうのではないか。語順により意味が規定される言語に絞るとか。
・文型がこんないあいまいなものとは思わなかった。
・文型を使っていない国が多いなら、どうやって教えているのか知りたい。
・他の外国語をやったとき、文型は考えなかったが、理解できた。

☆意味解釈があるから、OOかOCかがわかる。意味が先。5文型がわかるから意味がわかるわけではない。こういうアプローチには好き嫌いがある。嫌いな人はその理由を考えるべし。
・だからこそ文型は必要だ、という結論になりそうで、あいまい。もう少しはっきりしてほしい。
・STEP1 で、それぞれの言語を選んだ理由がはっきりあるといいのではないか。

☆typological類型によって、どういう比較を見たいのか、比較のシステムを作ってほしい、ということ。自分のわかる範囲でやる、というのもしかたないが、どうしても必要があったら、通訳を頼むとか。こういうアプローチでも、実験と同じにデザインを組まなくてはならない。中国語は日本語と英語の中間に位置し、後置修飾はないが、SVOで、Sがないときもある。
・朝鮮語と日本語は文法構造は同じ。朝鮮学校では文型を使って英語を勉強した。

☆整理してシステムアップすれば、かなりのことが言えるかもしれない。数値を使わないとだめ、とは思わないほうがいい。最小の労力で最大の結果を得るようにしましょう。データを取ること自体が一番大変。誰かのデータを使えるととてもいい。自分の研究目的を達成できるデータがあるなら、そこから始めるのがいい。データを集めるところでがんばったからいいでしょ、というのはだめ。分析だ大事。

・No.4 Research Question 第1文型と第3文型の識別能力と関係代名詞を含む文の処理能力に関係はあるか。@文法性判断テストとA文型識別テストを実施する。

・関係代名詞を含む文の処理能力とは?
・@Aのテストは、順番にこだわらなくてもいいのでは?

☆@Aの関係が、因果関係を保証しないので、そこが難しいところ。矢野論文は、レベルの違うグループで見た。
・因果はわからなくても、ここに関係性が全くなかった場合、文型がなくても文法判断能力がつくなら、文型はいらない、となる。
☆予測としては、高い関係がある。その先、どうするかが手詰まり。関係が低いほうがいい。高い相関が出たらどうしよう、というのを考えないといけない。関係詞節を取り上げた理由は皆さんわかりますか。

・文型と動詞の性質は不可分のものだから。

☆NP+NPと並ぶ場合は、2種類しかない。ひとつは接触節、ひとつは同格。

☆因果関係がわからないときにするのが実験。どちらかの情報を与えてしまうのが簡単なやり方。文型を与えて意味を答えさせるとか、意味を与えて文型を答えさせるとか。研究的フィクションを使う。全部リアルにやるとたいへん。1960年代、アメリカで教授法の比較研究をたくさん行ったが、結局わからない。がんばった方がいいというだけ。

・No.30 Research Question 英文の語(句)と語(句)の関係性を理解するには、文型の知識があること、動詞の意味がわかること、その他の語の意味がわかっていること、3つのうちどれが役立つのか。文型判断テスト/英文和訳テストを実施する。
・語句と語句の関係性とは?

☆OCと言われればそれが関係性を示している。文型は関係性情報。これがなかったら何ができるかな、と理屈で考えればいい。順列組み合わせで、まず理論枠組みを作っておいてから。文型がわかって、動詞の意味がわかって、その他の語の意味がわからなかったらどうなるか、と考える。ヒントがなければ絶対に推測できないことがある。「XがYにZをあげた」と言えるということは、動詞か文型情報かのどちらかがわかるということ。
 未知語の推測の実験をするときに、前もって、自分ならこの情報から推測できると、論理的に確かめるべし。実証する前に理屈で考えるべし。面白い結果が出てもなかなか解釈ができない。何かを知るためには、こうなったらこうなります、ということが必要。
 文型は、まとまりが把握できた後の話か。まとまりがわかることが文型の後に来るか。giveがわかれば、次は、誰に何をと探さない人がいるか。いるとしたら、外国語の処理速度が遅いだけ。文型識別ができるようになることの学習上の効用が今回のテーマ。文型というヒントを出し続けたら、自分でできるようになるか、という研究がほとんどない。

::::次回の課題::::

Topic 1

2011/05/26
◎Topic 2 発音カナふりの効用(?)
英単語や英文にカナをふることの効果(影響)についての研究方法を考えてみましょう。

英単語や英文に発音のカナをふる生徒はよくいますが、これに対して、教師の反応は様々です。正しい発音が身につかないからと言って、カナふりを禁止する教師もいます。割合カナふりは発音習得に役に立つという人もいます。もちろん、全く構わないという人もいます。また、発音の善し悪しではなく、カナは発音を記憶するのに役立つと考える先生もいます。あなたはどう思いますか。

この授業では、研究方法を、なるべく具体的に提案すること。具体的に、とは、他人様に渡して、この通りやって、と言ってやってもらえるということ。方法、という入口から研究をしているのは、突き詰めて考える習慣をつけるため。どんなテーマでも、真剣に考えないと、自分の研究も真剣に考えない。