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2011年度 金曜日 前期 英語教育学リサーチデザインA 2011.6.3
Research Design A

::課題::

 

発音カナふりの有用性に関する、本研究科修了生の修士論文を読み、議論を行いました。

"Effectiveness of Katakana Transcription in Teaching English Pronunciation"

Hypothesis:
Katakana transcirption of English words works effectively as a clue for Japanese EFL leaners to recall and reproduce properly the pronunciation of the words which they have once learned but do not remember clearly now.

◆議論内容◆
@研究方法は妥当か?不十分な点はないか?
 ・分析方法について
  手順3-5,3-6,5-6をそれぞれ分析する目的・必要性は?
  3-5:記憶の保持? 3-6:Acceptability? 5-6:記憶の呼び戻し?
  →3-6は必要ないのではないか?(記述が不十分)
 ・記憶の保持・呼び戻し+Vista式カナふりで再現できる言語らしさを見たいのか否か?

A意見・疑問点
・5,6について
 手順6でカナを本当に思い出すための"手がかり"として用いているかを見るのは、頭の中を見 ているわけではないので、わからない。手順5で全く思い出せなかった人が、手順6でカナをそ のまま読んでいる可能性もある。この場合、言語らしい発音はできるかもしれないが、記憶の  呼び戻しにはならない。
 
 →どうすれば良いか?
 ・フラッシュカード
  手順6でカナ付きの綴りを一瞬見せた後に綴りのみのカードを見せ、発音させる。(→カナを瞬  時に記憶する人もいるのでは?)

 ・カナを提示(例:Vista) or 自分でふらせる
  Vistaのカナふりの質が結果にプラスに影響しているのではないか?
  自分でふらせた場合どのようにするか?カナふりを教えるか否か。
  カナをふらせる場合、普段カナをふらない人/ふりたくない人はどのように扱うか? 

 ・アイカメラを利用する。
  (綴りを見ているか、カナを見ているかわかる。)

 ・大人数のデータをとり、カナをふった人のデータを分析すれば良いのでは?
 (振り方が多種多様であるため、分析が困難になる可能性がある。)

 ・手順4ではVista式のカナふりを提示し、手順6ではVista式に近いけれども、そのまま発音する  と伝わらないようなカナ(例:tunnel トンネル)を提示すれば良いのではないか?

 ・Vistaの悪い点・ネガティブ効果を証明できれば良いのではないか?

B論文に対する意見・感想
 ・手順3と手順6における/ae/の結果に大きな差が出ているのが興味深い
 etc.

◆金谷先生のコメント◆
・論文を読むとき、自分が"面白い"と思うか否かを考え、その理由を考える事が大事。
 "面白くない"と感じたとき、そこから自分自身の考えが浮き上がってくる。

・研究(研究論文)には3つのタイプがある。
 @当然だけれども、データが不十分な事柄を確認のために調査・研究する。
  (当然の事なので"面白さ"の度合いは低い。)
 Aデータが全く存在しない事柄を調査・研究する。(仮説もない。)
 B大多数の意見をひっくり返すような調査・研究をする。
  (面白さの度合いとしては非常に高いが、この種の研究は少ない。)

・わかり易い・読み易い論文が"良い論文"であるとする。
 論文を書く時は、出来るだけわかりやすくなるように努めるべき。
 (例えば、主題から外れる話題を書く際は、冒頭にそれがわかるような記述を載せるべき。)


 

::::次回の課題::::


今日の議論をもとに、もう一度リサーチデザインを練り直す。
思いつくならば、今日議論した論文の改良版、思いつかない場合は、まったく違うもの、前回のデザインを改良したものもの、どんなものでも構わない。