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2011年度 金曜日 秋期 英語教育学リサーチデザインA 2011.10.14
Research Design A

::課題::

Reserch Topic Inventory
タームペーパーデザイン検討会の第1回

 

今日から秋学期開始です。

☆ 今日からは,それぞれが研究を進めるための,いろいろな助言をするということになる。

一人目 「Chunkに区切られていることは学習者のReadingの助けになるのか?」
研究目的 文中のチャンクが明確になることで,学習者は文章をより簡単に読解することができるようになるのか。
リサーチクエスチョン 1 
チャンキングしてある文章を読んだ方が,していない文章を読んだ時よりも読解力が向上するか。
リサーチクエスチョン2 
チャンキングしてある文章を読んだ方が,していない文章を読んだ時よりも読解速度が向上するのか。

・チャンキングは役に立たないという先行研究もあるのに,なぜチャンキングは助けになると思うのか。特に,上級者には役に立たないという先行研究があるのに,なぜ今回のような,大学生の英語科30人,非英語科30人という被験者にしたのか。
・修了生のタームで,関係詞を習得している人の方がしていない人よりも,チャンキングは効果がある,というものがあった。理解が不完全な人の助けになるのではと考えた。
・語彙や文法がなくて,チャンクで読めるようになるか?
☆先行研究を何のために調べているのか。何が研究されて結果はどうなっているかを調べるため。それが,自分の研究とどういう関係があるか。賛成か,反対か,同じ研究の二人目としてやるのか,抜けているところを埋めようとするのか。先行研究で役に立たないと言っている理由をきちんと考えるべき。せっかくいろいろな人が確かめてくれているのだから,それを踏まえてやるべき。もう少し,自分の研究内容を絞らなくてはならない。役に立たないという理由が,本当にその人が優秀だからなのか。ヒントを出して分かりにくくなることはあってはならない。一人でできる人は横からごちゃごちゃ言われるのはいやだということだろう。+αのサービスをしてよくなりなした,という研究はやる必要はない。RQ1のような,読解力が向上するということは1回の実験ではできない。それを続けていったときに,自立した学習者になるのか,が確認できていない。役に立たないどころか,マイナスになってしまうのはなぜか,というところにフォーカスしてもいい。
・チャンキングの効果は,これが足りない人に効果的だとか,こういう人には積極的にやった方がいい,というのはあるか?語彙力が低い人とか?でも,区切られたからって,語彙がわからなくてわかる?
☆問題を絞り込んでみないと,結果がどういう意味なのか分からない。ざっくりやっても,よくわからない,ということになることが多い。被験者の大学生60人の時間を使わせてもらった責任がある。無駄でないものにしないと。
・チャンキングは文法知識の欠けた人にほど役立つのではないか。
・修了生のタームは,文法知識で分けている。
・文法がわかっていなくてはいけないけど,よくできる人には効果がない…。
・文法0%はだめだけど,100%の人にもダメ。50〜60%くらいの人がいい…。
☆自転車乗るのに,補助輪つけたら無害か邪魔か。
・チャンクの長さは人により異なる。
☆チャンクは,はっきりした概念ではない。変なところで区切るのだけがだめで,正しいものが一つということではない。何を調べますか?
・語彙は分からないけど,チャンクがあると意味は分かるか。
・語彙は分かるけど,つながりがわからない時にチャンクは役立つのではないか。
・学習者のレベルとマテリアルの関係は?
・教室でチャンクありのプリント渡すのに,上位の生徒に害となると渡せなくなる。上位の人にも害はないと言えればいいなと。
☆チャンクありを見て読み方が変わることはない。邪魔になることはあっても。それをやって何になるの,というのが研究になくてはならない。どういう切り方がいいのか。主語の名詞句だけを網掛けにするとかの方がスラッシュ入れるよりも作りやすい。それとの比較は?
・フレーズリーディングの指導を受けたことがない。なぜフレーズに分けるのか。
・意味を考えて読んでほしいから。
・返り読みをしない効果,読む速度。
☆recognition にはいいけど,productionに結びつかない。区切っていると最終的な構造理解にたどりつかない。
・構造がわかっていない時に,予備校で記号付のプリントで数か月練習し,記号がなくても記号が見えるようになった。
☆スラッシュはローカルな処理。文の構造は全体を見通さないといけない。読める人がやっているのは結構すごいことをやっている。SはここまでとかVPはここまで,とか。
・スラッシュは統語的な助けにしかならない。
☆ここが難しそうだ,というところでは,何かの助けをしてあげるのが普通。チャンキングが学習者を読めるようにしてあげるか,これが本質的なポイント。ゆくゆく自分で区切れが見えるようになるのか。なぜ上級者にはマイナスになるのかは調べてもいい。
・上級者はスラッシュで目を止めさせられるから,という先行研究ありますか?
☆あります。
 初学者はローカルにしか見ていない。be動詞を入れるテストをすると,Thisがあるとすぐ後ろにisを入れてしまう。返り読みするのも大事。「あれ?」と思って振り返る。


2人目「高頻度の句動詞はどのくらい分かっているか」
目的 高頻度句動詞リストについて,中高生にテストを行い,どの程度読んで理解することができるのかを調べる。句動詞全体の30%を占めるという,トップ25について調べる。
RQ1 BNCにおいて高頻度で使用されている句動詞は,日本人学習者(高校生)はどの程度理解できているのか?
RQ2 高い習熟度の学習者にも理解されにくい/されていない高頻度句動詞にはどのようなものがあるか?

・句動詞が大事だと考える根拠は?先行研究には書かれているか。
・話し言葉で好まれる。頻度が高い。以前はdeceptive transparentに興味があったが,文脈があればなんとかなりそうでこっちに。句動詞は種類が多く,意味が複数あるものもあり,なかなか教えきらない。
・句動詞の頻度は?
・全動詞の中の1/10が句動詞。
・状況でカバーできるのでは。そんなに大事かな。
・ある論文では,ネイティブは1語動詞よりも句動詞を好む傾向があった。
☆何のためにこれをやるのか。教育とか学習はpriorityを見なくてはならない。パンクしてしまう。要素は無限にある。何と比べて重要なのか。この25個はだいたい中高で扱われている。○○さんなら,教材と頻度との関係は合っているのかという切り口になる。教える方にも学ぶ方にも大切という意識もあるだろう。パーツの意味やcore meaningで推測する。これが大切なことくらいわかっているという感じ。解けるかどうかはともかく,習ってはいる。実態調査なら,高校の先生3人,引っ張ってくれば大体わかる。
・教師の勘で教えるのは当たっていないのでは。
☆では,教師の方を調べる方がいいが,そうそう勘が当たらないことはないだろう。国際語としての英語を考えると,big wordsを使う方が安全。誤解しない。ネイティブにとっては,句動詞の方がリズムが良かったりするが,頻度が高いものは,句動詞でも,1語動詞でも,知っているべきなのは当然。研究であるかうのは,大筋の傾向であるべき。大きな問題を解決するためにどうするか。
・outのcore meningを教えたら理解は深まるか。
・習熟度が低い人には,役立たない傾向。
・透明性と関わる。
・get upで「起きる」なのに,「とってあげる」と訳す学習者は,習得が困難と言いたい?
・推測しようとして,間違ってしまうのはいやだなあと思い…。
☆句動詞は知らなければどうしようもない。透明性のないものは覚えるしかない。productionになるとそうはいかない。
・「高頻度の句動詞はどのくらい分かっているか」というタイトルから,そもそも分かっていないことを前提としている?なぜわかっていないか,教えていないから,と考えた?頻度高いのに,なぜ教えていないのか,というところをどのくらい分かっているかは,わかっていないと考えている?
・協力者が高校生,入試でどれくらい問われているか,とか入試の合否のどれくらい関わるのか,を考慮しては?
・長文ではあまり出合わない。たまに四択問題で出ている。
☆入試では出てきにくい。
 学習研究なのか,語彙論の研究なのか。私たちにはやらねばならないことがたくさんある。第一義にやらなければならないことがある。どう学習されるのか。語彙と学習の接点は?
 なぜ,先にこれを教えてくれなかったのか,ということは大人になったからこそ分かる,ということが多い。core meaningはそうだろう。句動詞のほうが○○より大切だ,ということがあれば,それもあり。
 トップ25となれば,だいたい誰でも知っている。句動詞が多いとは言っても,単品の方が当然多い。科学的研究は,人生の複雑さに注目することはできない。わかるのではなく,生きるしかないことがある。揺らぎが大きいものは,法則性がないのだから,研究はできない。研究して分かったら役立ちそうだ,ということはたくさんある。語彙は厄介で,覚えるしかない。