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2011年度 金曜日 秋期 英語教育学リサーチデザインA 2011.11.18
Research Design A

::課題::

Reserch Topic Inventory
タームペーパーデザイン検討会の第5回

 


一人目 「Introduction of 'Reading Stamina' into English classes in Japan―読む持久力の調査と多読指導の検討―」
研究目的 長時間(30分〜80分)英語での文章を読んでもらい,被験者のReading Staminaを測定する。(また,長時間読むことができる学習者と読めない傾向にある学習者の長文に対する態度などを調査し,どのようなことがReading Staminaの要因となり得るかも探っていく。)


リサーチクエスチョン 1 長時間,英語の文章を読んだ際のwpmと,短時間英語の文章を読んだ際のwpm(もしくは大学受験に必要とされるwpm120との間)に差は生じるか。
          (2 長時間英語を読むことができない学習者はどのような特徴(傾向)があるのか。)

・Reading Staminaとは?スピードのこと?
・3分,5分のスピードを80分=長時間,持続できるか。短距離と長距離の違い。長い時間読むスピードを落とさず読めるか。
・RQ1で,なぜそれがわかるのか?
・30分以上の場合,質的な違いがあるのでは,と考え,RQ1を立てた。山本先生の生徒(100〜120wpm)に,30分以上読ませたら,50wpmの生徒がいた。
・長時間走れば,スタミナが落ちるのは当然だと思うが。
・マラソンにはマラソンの走り方がある。
・長文と短文を読むときの速さの違い?
・短文は全速力でやれるけど,長文は…
・50wpmは下がり過ぎではないか。入試に対応できない。
・どういう人が下がるのかに興味があるのでは?
・長い時間読める人は,日本語でも読める,読みに抵抗感がない,motivationが高い,というような人ではないか。
・一文一文は訳せるけど,全体の整理がつかない人はスタミナない,ということ?
・長文読ませる方法を教員が認識していない,ということ?
・自分の高校時代は多読なし。予備校でも速読は1分。
・受験に役立つ速読?受験と関係なしに長時間読む力?受験の場合,設問を読んでから,と言ってしまうので,普通の読書とは違う。
・長時間の読書を勧めたい。10分の読書にも耐えられない子に,80分も読むのは難しいだろう。受験の前に多読を教えたい。
・長文の練習が足りていないから,その練習をしろ,ということは,Reading Staminaはみんな認めているということではないか。
・どこまでReading Staminaは一般的か。
・一般的な課題に対する集中力とどう違う?
・intelligence staminasがあり,その中の一つがReading Stamina。
・スタミナがない人はなぜない?
・読む習慣。
・Reading Staminaのない原因は何か,を考えては?リストアップするとか。それが本当に原因で読めないのか。入試の80分に興味があるのか。80分読み続けることに興味があるのか。
・長く読み続けられる,られないに興味がある。入試の絡めるのは,現職の教員に考えてほしいから。
・スタミナが続かないのは,内容がつまらないとき。同じ本の中でも。
・つまらないものでも読み続けられるのがスタミナ。睡眠不足とか,栄養不足も関係する…。
・一文一文の処理で疲れて続けられない。
・論理的な文の方が正答数は高くなるだろう。入試は80分,ひたすら読み続けるものではない。
・センター試験は,2006年以前の第6問は小説文。少しでも面白い方がいいのかな。
・スタミナがなくなる子の要因。
・ふだんから,英語の文章を読む習慣がある。
・ない原因は,普段からの練習回数?
・英語を読むことに対するattitude, motivation。
・座って勉強するのがいやな子は,もうダメということ。
・多読導入の失敗の一つは,無理やりとか,レベルの高いものを読ませること。
・多読にもともと興味があるの?原点を忘れない方がいい。そこまで多読にひかれるところに研究の種があるはず。思いのたけを述べて!
・英語は,聞く・話すが魅力だろうが,inputがその前にあるべき。大学から多読を始めて,できるようになった。やさしい文章を読むことによって,様々な能力を伸ばせるのでは。中高生だけでなく,どの年代の人にもできる。中等教育は,その後の学習を自立的にできるように手伝うこと。入試はやはり考えなくてはならない。inputを考えると,読むことは絶対必要。多く読ませる工夫。文章を読ませる授業を導入推進したい。そのために,Reading Staminaが必要。
・長い文章を読むのが大事でないと,考えている教員はいるか。
・多読は好きに読んでいいよ,と本を用意するだけ。
・@辞書を引かないAわからないところはとばすBつまらなかったらやめる  スラッシュを全部に入れる。
・選書指導が大事と言うよね。本人に合った本を教員が与えてあげないと,実際に生徒が適切に本を選べるか。
☆Reading Staminsを実証する必要があるか。長く読み続けられればいいのではないか。続けられる人と,続けられない人がいるのは確か。短文は大丈夫なのに,長くなるとダメ。100mは走れるけど,5qは走れない,ということはある。スタミナではない。5q入れる人は10q走れる。10q走れる人はマラソンを走れる。「5q走れる」というのは試す?スタミナなら,訓練すれば…。1ページでダウンしてしまうのは,集中力というよりは,さっぱりわからないから。実力と読み物のせいで。「辞書なしでとばし読みできる」という前提をまずチャックすべし。分量の多少だけに絞らないといけない。量が少なくても耐えられない人もいるだろう。つまらなくてやめてしまうなら,あなたに合う本はない,ということになっては…。
・文字がちょっとしか書いていないものを少しずつレベルを上げていって訓練するのが良い。
・5q走れる人を訓練して,10q走れるようになる人と,ならない人といる。その差がスタミナ…。
☆前提条件はチェックしましょう。多読は,読むことの楽しさを味わうのは悪いことではないが,情報のために読む人もいる。楽しみで読まなくてもかまわない。タスクがあれば長持ちするけど,ないと走れない人もいる。ただ走れる人もいる。何のために読むのか。受験は絡めない方がいい。せいぜい入試は2000語レベル。つまり2〜3qどうするか,中距離の話。
・多読でinputというのは共感できるが,なぜ多読?「楽しみ」はなくても,目的さえ達成できれば,それでいいと思っていた時があった。なぜ「楽しみ」?
・狭義=楽しみ,広義=たくさん。タスクを変えて,何回も読ませるのも多読だろうと考えている。80分=42.195qだろう。それを完走するのはdemanding。
・学習者は,全員,400mではだめで,5q,10q,42.195qまで走れるようにしなければいけない?
・長距離走らせてれば,短距離は自然に走れてしまう?
☆課題に関係する。必ずしもスタミナということではないが,結果を出さなければならないと読める。オーバーペースだと途中で疲れてしまう。短・長で違いは出るだろうが,つまらないだけで差が出ては…。いろんな要因に左右されるので,それを固定したうえで。しかも,固定することに意味があるかも含めて。
・長さだけが違うマテリアルを作れれば。量が増えただけで読めなくなるのか。
☆最終タスクによっては,長い方がいいという人もいるだろう。150wordsで10問だと,ほぼ全文について聞かねばならない。3問だと計算しにくいので,5問。1500wordsで50問になってしまう。一冊読んで,5問聞かれる方がいい人と。短く読んで問われることと,長く読んで問われることは異なる。未知語のもつ意味合いが違ってくるだろう。何を知りたいか,詰めましょう。たくさん読む,速く読むのは,いいこと。読解力が高ければ,長距離も短距離もいけるだろう。読解力を,いろんなことができる本格的な力にしましょうね,ということ。


二人目 「語彙の記憶は音声・綴り(・意味)のどこから崩れていくのか?」
リサーチクエスチョン 日本人学習者のメンタルレキシコンの綴り・音声(・意味)の情報の忘却の仕方に有意な差はあるのか。

・語彙習得?記憶?
・語彙習得でいきたい。語彙の習得を音声が助けると言いたい。デザインは,記憶になっていると思う。
・自分の見たいものと,このデザインはどうつながる?
・つながらず,問題が…。
・なぜ,どっちを先に忘れるかに興味がある?
・木曜日にふっと思いついた。水の漏れるところをふさげれば,語彙の習得に役立つのでは,と思った。
☆リストを渡されて記憶するのと,言語学習とは異なる。言語学習をからめないと意味がない。4つの部門(meaning, syntax, morphology, phonology)は言語の特徴だが。spellingを出してしまって意味をきくのでは,spellingのテストにならない。
・Appendix A, Bは中野(2006)と似ている。中高生は,見て分かる方が多い。聞いてわかる方が少ない。
☆「見て分かる」とは似たようなspellingの中から正解を選ぶのとは違う。L1では,わかるけど書けない漢字はある。音が分からないものはない。nativeでもspellの間違いは多い。意識して覚えるものだから。
・mental lexiconに必要な語彙情報が入って,必要な時に引っ張り出して,使いこなせるようになることが語彙習得。記憶もあるけど,記憶だけではない。そもそも語彙習得の考え方が違う?
・mental lexiconのどこにアクセスが速いか,と門田先生。
・覚えたのに忘れてしまうということに興味?残ってないのか,引き出せないのか?
・音声の表象にアクセスできないから。mental lexiconは長期記憶なので,忘却は違う?
☆言語としてlexiconに収まるには,入っているのか,という問題。入った,できあがった,という保証が必要。でないと,もともと崩れるものがなかった,ということになってしまう。単なる記憶か,言語的記憶か。元素記号を覚えるのと単語を覚えるのと,同じか。「知識を失う」というのは「語彙を失う」のはとは違う気がする?昔の彼女の苗字を忘れたのは語彙か?語彙は特別な知識な気がする。語彙学習・語彙忘却は,ふつうの記憶の研究とほとんど同じになされている。
・語彙習得の入り口は,記憶から始まるのではないか。フラッシュカードでやったものが,習得されていくには何が必要か。
☆入り口の中に入って研究をしてほしい。元素記号をフラッシュカード…
・ふつうの記憶と,語彙習得の違いはsyntaxとか,動詞ならcollocationを含まなければいけない,とか。
・弾丸input=1対1対応の表現は,単純記憶?
・psychologyという単語を習得した学習者は何ができる?
・冠詞付ける,付けないまでできるのが,言語習得?
・山本さんとあそこに行ったなあ,というのは  ← エピソード記憶
・フランス語を勉強中だが,音ではわかっても,スペルは一つも書けない。意味と音とぱっと見はできるけど,スペルは書けない。
・mental lexiconの中身は4つあるというけど,nativeなら全員4つそろっているかといえば,そんなこともない。enoughの発音をずっと知らなかった。日本人とロシア人で比べると,ロシア人は音が残り,日本人は綴りの方が残る。L1とあまりにも違うので意識して覚える。
・4つそろっているのが理想。将来も残って使える方が理想的。
・4つがばらんすよく入っているのが習得と考えているように聞こえるが,それが習得?
☆習得にはスペルは含まないだろう。文字言語は二次的なもの。識字率が低くても音声記号は身につく。文字ありで音声なしの言語はない。
・なぜ語彙習得に興味?
・学習者のつまづきはたくさんあるが,語彙が大きな要因になるのではないか。文字を認識できない。発音できない。語彙の習得につまづくのが,言語習得を阻害しているのでは。
・リストで覚えるようなやり方が悪くて,覚えられなかっただけ。
・文字をただの記号みたいに考えてしまう生徒を救ってあげたい?
・友人にどうやって語彙を覚えたの?と聞いたら,教員に「こうして覚えろ」と言われるのがとても嫌いだったと。
・いろんなやり方があるのが一番いいのでは?
・strategyをいっぱいもっているのと,語彙サイズの相関があったような気がする。語彙習得に生徒を向かわせるのがとても難しくて,忘却から迫ってみようとした。
・いろんな要因がからんで難しいと思ったのだろうが,そこであきらめてはダメ。そこから先に行った方がいい。万能薬一つはないが,こういうタイプにはこれが効く,とかいうやり方もある。
・学習者の持つ要因と,単語そのものがもつ要因。
・field-dependenceとindependenceとか。
・ぐちゃぐちゃしているものを,ぐちゃぐちゃ書けたら,それはいい。その中から。
・同じように聞くチャンス,書くチャンスを与えても,同じようにできるようにならない。単語テストでは,リストで覚えたら,gで始まるのはこれ,とか。enoughは音声化してましたか?
☆どうやったら覚えられるのか,という話なのか。motivationは一定にして,覚えることに費やした時間で説明できてしまうのかもしれない。ある東大教授は30か国語を使え,奥さんとは12か国語でやりあい,新しい単語は5回繰り返すと覚えてしまう。実はあまり技ではなかった,ということになってしまうかも。TOEICで1点上げるのに,1万円分の勉強が必要。英語学習のトータルとしての単位時間と語彙サイズの関係という研究はあまりない。
・多読で語彙学習は?
・既習語の後のoutputに役立ったという研究がある。
・「とりこぼさない」という視点に違和感。忘れることはたくさんある。忘れないようにするのは大変で,忘れる以上に覚えればいいのでは。
☆量を確保した方がいい。コストをかけずに語彙学習は無理。遠回りするほどいいわけではないが。
・忘れていくときに,注入していく。リハーサル効果を狙うときにどうやってその単語を出会わせるか。音か。つづりか。
☆一般性に,この話は無杉つかない。どのくらいの分量だとどのくらい,というのが実証研究には向いている。科学的研究=鈍感な研究。いろいろやった方が持続するからいい,というのが学習方法についてわかっていること。食事も同じ。どういう栄養素があったらいいのか,だけで,一つ一つの食事の内容まで具体化する研究は…。shadowingがいいか,repeatingがいいのか,というレベルで比べたくなるが,そういうことはないんじゃないの?