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2012年度 金曜日 前期 英語教育学研究法A 2012.05.11
Research Design 1
Dictationの評価(改訂版)

□今回の課題

 ◯前回書いてきたdictation評価のレポートを,ディスカッションをもとに改訂してくる。


□取り上げた人の意見と,それに対する反応

 ■J番の方のResearch Design
 ・dictationとは様々な知識が相互作用するものである。
 ・英語は内容語で大体伝わる。英語マスターなる人に評価をしてもらうのはどうか。
 ・SVがとれていてなおかつ前置詞句がそのSVの修飾語であると分かる場合は加点。1+1=1.5になると考えている。
 ・研究の際は,前置詞句に"wug"など非実在語を入れ,それらが分からないとSVも知らない単語(English is "sesersed"...)が使われているほうを選んでしまうという対偶を証明することで, SVが理解できている場合,そうでない場合よりも,その前置詞句がより多い情報量を持つこと を証明する。

 ◯意見など
 ・対偶を証明すれば研究目的を証明できるのは,英語教育の世界で通用するか。
 ・"wug"という単語が入っているからと言って,SVに知っている語が入っているのに選ばない ことはあるだろうか。
 ・情報量に差をつける意味はあるだろうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・dictationの採点の際には,「メイン」となる部分と,「付録」の部分の点数配分に差をつける必要性がある。やはりSVの部分には高得点を与えるべき。
 ・J番の方は,採点の決着を(3)と(4)の間でつけようとしていたことは非常に良い。なぜなら,研究において広い範囲で決着をつけようとすると収集がつかないからだ。(3)と(4)で議論になるのは「本当に理解している」か「ただ音を拾って書き取っているだけか」を見分けることであろう。


 ■P番の方のResearch Design
 ・英語力とはリアルタイムで相手の言葉を理解すること。
 ・研究の際は,dictationさせた後に裏に和訳を書いてもらう。(タイムプレッシャーあり)
 ・書き取ることができていれば,理解しているということを証明する。

 ◯意見など
 ・例えばby many peopleが分かっていても,SVの部分が受け身になっているかどうかを特定することはできるだろうか。
 ・(P番の方ではないが)実際に塾の生徒にやらせてみたところ,頭だけを書き取り,機能語を聞き取ることができなくても訳を補完していた。
 ・dictationと和訳を一定の期間をおいてやらせたらどうかという意見も出たが,それだと測っている能力が違うのではないかという疑問が生まれた。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・頭だけとることはまだいいとして,後ろだけとるというのは,かなり英語ができない生徒に多い。特に(4)ではpeopleが残っていること,これが大きな罪で,英文を理解していない証拠である。
 ・また他の例として,The man I met yesterday was very kind.という文のdictationの際に,下線部だけを落とした生徒がいた。これはかなり英語ができると考えてよい。


 ■24番の方のResearch Design
 ・内容語は聞き取れている生徒が,機能語まで聞き取ることはできているか。
 ・ただのリスニングテストとdictationテストの間には大きな隔たりがあるのではないだろうか。そのためにリスニングテストの形式を増やして研究をする。
 ・一文を聞く能力と,談話や会話を聞く能力は別物ではないだろうか。

 ◯意見など
 ・研究目的を書くべき。
 ・相関があるかという書き方は良くない。
 ・リスニングテストと形式に注意を向かせる聞き取りテストというように,2つに分ける必要はあるか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・確かにdictationとリスニングの一般的なテストには違いがある。
 ・仮説で「相関が高い」などと言い切ってしまうといけない。何と比較しているのかも分からない。例としてあげるならば,「地球上にこの種は存在しない」と言い切るよりも,「いる可能性があり,その実物を持ってくる」ほうがよほど簡単である。
 ・それでは,(5)の採点に関してはどうだろう。これだけ内容語がとれているのに,文を理解していないと言い切れるだろうか。


 ■Q番の方のResearch Design
 ・書き取った文が理解可能なものかどうかが採点の基準ではないだろうか。
 ・内容語が大体書き取れていることは,理解していることにならないだろうか。
 ・研究として,機能語の発音量を小さくしてみる。

 ◯意見など
 ・聞き取りの際に機能語を小さくすることで,dictationでの機能語の産出と関連はあるだろうか。
 ・ノイズを入れたり,ピー音などにするという手もある。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・(5)の解答が,理解しているかどうかを測るには,前にも出たように訳出をさせたり意味を書かせること。他にももう一度直させる方法がある。
 ・やはり,一語に一点を与えてしまう採点方法が一番良くない。それによって測れる力は,英語力ではなく,単に耳の良さだったり,記憶保持能力でしかないからだ。



                              ::::次回の課題::::

Reserch Design 2

2012/05/18

 □次回のお題は…

次回のお題は早期英語教育の効果です。

早期英語教育には果たして効果があるのかどうか。
最低限,考えるべき効果は以下の項目です。
・短期的効果か長期的効果か(あるいはその両方か)。
・どこに効果が現れるか(英語力かそれ以外の面なのか)。
・早期教育の内容に関わるのか。早く始めることは大切なのか。

期待する,あるいは期待しない効果を述べて下さい。
効果はないと記述しても構いません。

形式は自由です。理論が正しいということを証明する研究です。
ポイントは研究方法です。どのように(how)の部分をしっかりと考えぬいて来てください。