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2012年度 金曜日 前期 英語教育学研究法A 2012.05.25
Research Design 2
早期英語教育の効果(改訂版)

 □今回の課題

 ◯前回書いてきた早期英語教育の効果についてのレポートを,ディスカッションをもとに改訂してくる。


 □取り上げた人の意見と,それに対する反応

 ■3番の方のResearch Design
 ・自分の境遇から言えば,小学5年生ころから英語の学習を始めたが効果はなく,もっと早く始めていればよかったのにと言われた。
 ・確かに始めるのが早ければ早いほうが英語に触れるチャンスは多い。
 ・そしてコミュニケーション能力の向上が見られるのではないか。
 ・異文化に対する開けた心をもっているかどうかは,発話回数で決められる。
 ・グループを作り,タスクを完遂していく際,ネイティブを投入してみて反応を伺う。

 ◯意見など
 ・日本人以外の人とコミュニケーションをとろうとすることが開けた心なのだろうか。
 ・中学に上がって態度が変われば,心が開けたと言い切れるか。というか英語教育以外の影響が大きく作用するのではないだろうか。
 ・タスクを行う意味はあるのか。いろんな国籍が混在するグループを作ってみてはどうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・まず,被験者で「早期英語教育を受けている人」と「そうでない人」に分けるのが,現在では難しいと考えていたほうがよい。
 ・実はタスクにはあまり意味がなく,例えば国籍が違っても,タスクを成功させたいと強く思う状況にいれば,積極的にコミュニケーションをはかろうとする。つまり,タスクを介してコミュニケーションをとろうとしてるかどうかは判断しづらい(例:ロボコンの国際大会のように,多国籍のチーム内であっても,なんとかして勝たなければいけない状況にあるので,そのチーム内の日本人は積極的にコミュニケーションをはかり,その英語力は急激に上昇したらしい)。
 ・また,グループ活動の際にいきなり外人が入ってくるのも反応が様々であり,他の影響を与えかねない。
 ・余談であるが,「英語」という言語を介すると,なんとかして日本人はコミュニケーションをとろうとする現象がみられるのも,また1つの不思議な話である。


 ■17番の方のResearch Design
 ・大学生になったとき,英語を使ってコミュニケーションとるときの態度が変わる。
 ・質問回数が多いかどうかを調べる。
 ・インタビュー形式で,被験者がどれだけ質問できるかを考える。

 ◯意見など
 ・この研究の前提は,日本人が積極的に人に質問しないという前提で勧めるのか。それだとすると積極的な人が良いみたいな考え方にはまってしまっていないか。
 ・積極的=コミュニケーション能力が高いとはならないのではないか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・インタビュー形式は,そもそもコミュニケーションが強制されるので,それで積極的かどうかを測ることはできない。
 ・どういう場面でどういう態度をするかも重要で,例えば街中でインタビューするときなども,ガンガン積極的に尋ねにいくことが果たしていいことなのかどうなのか。
 ・逆に英語を使えるのに使わないという人もいて,それもまた問題視しなければいけない。


 ■14番の方のResearch Design
 ・早期英語教育を受ければ,分からない言語を話されても頑張ろうとする。
 ・フランス語や中国語を話されても,問題を解決しようとするか。
 ・本音を言ってしまうと,全員成功するのではないかとは思っている。

 ◯意見など
 ・ジェスチャーやアイコンタクト等をしているかどうかで,コミュニケーション能力がはかれるものだろうか。
 ・それらに点数をつけてしまってよいのだろうか。
 ・話している際に,科学的にストレスがかかっているかどうかを測るのはどうだろうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・早期英語教育を受けていた頻度と時期を混ぜてしまうのは研究としてよくない。
 ・余談だが,ちょっと習ってしまうと,相手が自分の言葉を理解していないのにも関わらず,英語をしゃべり続けてしまう人もいる。
 ・また,早期英語教育を受けている人のほうが,逆に方略として日本語を使ってしまうのかも見てみると面白いのではないか。
 ・態度がよければタスクの達成は意味がなく,実際,タスク達成までいけるかも怪しい。
 ・これはつまり能力の問題になってしまう。
 ・場数を踏めたほうが良いということを証明したほうがいい。
 ・結局,早期英語教育を行うと一体今後にどういう良い効果があるのかを述べなければ意味がない。
 ・また,コミュニケーション能力は年齢や発達の影響もあるはずである。


 ■18番の方のResearch Design
 ・コミュニケーション能力とは,相手の話を正しく聞こうとする力と,自分の思っていることを正しく伝えようとする力である。
 ・1対1の,ネイティブがリードするようなインタビューでその力を測れないだろうか。

 ◯意見など
 ・コミュニケーションストラテジーを使っているところにポイントを与えて良いのか。
 ・ものさしを作るのが難しいのではないか。
 ・ぼーっとしてても,ちゃんと聞いている人もいる。そこまで測れるのか。
 ・数字には現れないのではないか。
 ・日本語が不自由な外国人としゃべらせてみてはどうか。
 ・そもそも小学校で聞く・しゃべるを点数化できるか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・私立小学校では英語教育を入れてしまっているので難しい。
 ・やはり,差し迫った理由があるのとないのでは,聞く態度が変わってきてしまう。
 ・結局,程度問題になってしまう。


 ■4番の方のResearch Design
 ・早期英語教育によって音が入ることで,音に親近感を持ち,それ以降のコミュニケーション活動に効果が現れ,結果学習のスタイルも変わっていくのではないか。

 ◯意見など
 ・音は地域差等がでるかそれでも大丈夫か。
 ・音に対する親近感とは何か。
 ・英語を聞いてそれが英語だと分かるという感覚は必要か。
 ・早期英語教育を受け,音に慣れていると,コミュニケーションの際に心理的な負担がかからないのかもしれない。
 ・音素レベルで区分けができるようになるのかもしれない。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・英語を聞いて,それが英語だとわかることは非常に大事で,音韻規則がわかっている証拠である。
 ・親近感を持っているかどうかも重要で,それによっては中学校や高校の授業が変わってくる可能性もある。

                              ::::次回の課題::::

Reserch Design 3

2012/06/01

 □次回のお題は…

 関係代名詞についてです。
 これを使えるかどうかで大きく表現の差がでます。
 以下に導入の例を提示しておきます。

 2文結合による導入(I met a man yesterday. He gave me the ticket.)
 名詞句からの導入(The man I met yesterday)
 接触節による導入(The man I met yesterday gave me...)
 主語の後置修飾からの導入(The man who gave me the ticket was...)
 目的語の後置修飾からの導入(The man gave me the ticket that was...)

 それぞれにメリット・デメリットがあります。それがどのように生徒に影響を及ぼしているでしょうか。その影響を検証する方法論を考えてみてください。

 上記の全てについての影響を検証する方法論を述べるのは大変なので,1つ(あるいは関連のある2つ)に絞って考えてみてください。あるいは上記以外のものでも構いません。また,対象者も小学生〜社会人まで任意で結構です。