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2012年度 金曜日 前期 英語教育学研究法A 2012.06.01
Research Design 3
関係代名詞の導入方法とその影響

 □今回の課題

 ◯様々な関係代名詞の導入法から1つあるいは2つを取り上げ,それが学習者に与える影響を考えてくる。


 □取り上げた人の意見と,それに対する反応

 ■7番の方のResearch Design
 ・2文結合による導入をすれば,関係代名詞の後に副詞などの後置修飾が来ても先行詞を特定できる能力がつくのではないだろうか。
 ・他の導入法では,関係代名詞の直前の名詞が先行詞だと思い込んでしまうのではないだろうか。
 ・James met a boy with a binocular that was yelling at a dog. という文を見て,binocularが先行詞ではないと認識するのではないだろうか。

 ◯意見など
 ・この導入法を用いることで,逆に先行詞を見つけづらくなってしまうのではないだろうか。
 ・このデザインだと,語彙の判断によって先行詞を選択させているような研究になっていないだろうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・上記のような方法で問題作成をするのであれば,そのような導入はしないのか。しないとすれば,それでも2文結合の導入を受けた人の得点が高ければおもしろい。
 ・ある導入によって結果が大きく変わるような「テスト内容」であるか。
 ・特定の何人かだけに影響を与える導入方法ではないか。
 ・自分のセオリーを作っていないと,論じるときに大変である。


 ■9番の方のResearch Design
 ・簡単な英語に大量に触れれば,複雑な英語処理に影響をあたえるのか。
 ・関係詞節の部分だけ練習を繰り返させればテストに影響がでるか。

 ◯意見など
 ・大量に触れれば確かにそれは強みだが,単に暗記しているだけで点数を伸ばしてしまってはいないだろうか。
 ・練習の際に日本語を与えないのか。すると解釈はどうするのか。


 ◇金谷先生のお言葉
 ・やはり,ただただ練習するだけでは習得までに至ることができず,何をやらされているのか学習者が分かっていないとその場限りの練習になってしまう。
 ・全体の平均点が上がったからといって意味がないときもある。特定の個人ができない部分を救ってあげるほうが良い時もある。


 ■10番の方のResearch Design
 ・2文結合で習った学習者は,後置修飾の概念が薄いのではないか。
 ・大学生でも未だに不安な部分なのではないだろうか。

 ◯意見など
 ・訳でミスすることが多いので,訳させてみるのはどうだろうか。
 ・2文結合で覚えると,確かに後ろにくっつくという感覚から,目的語への後置修飾として認識してしまうのではないだろうか。
 ・プロダクションで関係代名詞の使用頻度から,その生徒ができているかどうかを見る方法はないだろうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・文の内容語をとっているだけの場合,主従関係が分からず,2つの動詞が出てきたら全く分からないという人もいる。
 ・自由英作で関係代名詞を使うかどうかで理解度を測るのは難しく,そもそも関係代名詞をみんな避けてしまう。
 ・実は主語への後置修飾(サンドイッチ型)の概念は低く,その導入を先にしてしまえば,目的語への後置修飾は教える必要がないという結果も出ている。(ちなみにそちらはオープンサンドと読んでいる人がいた。)
 ・話は逸れるが,ネイティブでも「三単現の-s」=「複数形の-s」だと思っている人がいて,わかっているのになぜかは説明できないことはよくある。関係代名詞の先ほどのサンドイッチ型も,2文結合で覚えていて説明はできないがしかし,やり方や理屈はわかっているというケースはよくある。


 ■14番の方のResearch Design
 ・主語への後置修飾や目的語の後置修飾などあるが,それらを難易度別に分けて,難しいものから教えてしまえば,簡単な構造は理解が速いのではないだろうか。
 ・左から右に読んでもそれとなく訳せてしまうものは容易とみなし,それができないものを難しいものとしてカテゴライズする。

 ◯意見など
 ・難しいほうを先にやることで,そこでまずつまずいてしまわないだろうか。
 ・単純に考えれば,簡単なものから順を追っていったほうがよいのではないだろうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・難しいほうから導入していきたいのであれば,それ相応の利益がなければ,リスクだけが高くなってしまって,逆効果になってしまう。
 ・2文結合でなんとなく全ての関係代名詞を説明してしまうかのように,難しいことから覚えることで機能を正しく覚えられないこともある。


 ■20番の方のResearch Design
 ・接触節を導入するよりも前に,関係代名詞を明示的に導入したほうが良い。
 ・ただし,名詞節から導入する場合なんかでは,関係代名詞は逆に邪魔なので,ないほうがよいのだと思う。

 ◯意見など
 ・なぜ接触節のほうが難しいと思うのか。
 ・和文英訳のテストをさせる場合,関係代名詞を使ってとなると接触節は扱いづらく,むしろ並び替えのほうがよいのではないか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・接触節に関しては,実は重要ではない。日本語の前置修飾にマーカーがなく,英語にはあるのは,英語にはそれが必要だからであり,それがない場合は意味が通じなくなってしまうからだ。だから関係代名詞の導入で議論すべき点としては,接触節よりも,前置・後置がしっかりと認識できているかであり,そちらのほうが何倍も重要な意味がある。

                              ::::次回の課題::::

Reserch Design 3

2012/06/08

 □次回のお題は…

同じく関係代名詞の導入法について,自分の案を修正してきてください。





(以下は今回のテーマです。一応載せておきます。)

 関係代名詞についてです。
 これを使えるかどうかで大きく表現の差がでます。
 以下に導入の例を提示しておきます。

 2文結合による導入(I met a man yesterday. He gave me the ticket.)
 名詞句からの導入(The man I met yesterday)
 接触節による導入(The man I met yesterday gave me...)
 主語の後置修飾からの導入(The man who gave me the ticket was...)
 目的語の後置修飾からの導入(The man gave me the ticket that was...)

 それぞれにメリット・デメリットがあります。それがどのように生徒に影響を及ぼしているでしょうか。その影響を検証する方法論を考えてみてください。

 上記の全てについての影響を検証する方法論を述べるのは大変なので,1つ(あるいは関連のある2つ)に絞って考えてみてください。あるいは上記以外のものでも構いません。また,対象者も小学生〜社会人まで任意で結構です。