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2012年度 金曜日 前期 英語教育学研究法A 2012.06.22
Research Design 4
OCは入試に役立たないか

 □今回の課題

 ●OCは入試に役に立つかたたないかを考え,その理由を根拠づける方法論を考えてくる。



 □取り上げた人の意見と,それに対する反応


 ■7番の方のResearch Design
 ・interactionがある音声中心の授業で,自発に近い状態で話させる。
 ・今回は一例としてReading Exchangを扱う。
 ・これによって書く力も伸びるのではないだろうか。
 ・和訳テストを行うのだが,それが訳読式の授業を受けたほうが有効とされているため,そこを覆せればと思い,このテストを行うことにした。
 ・実験は学校で行いたい。

 ◯意見など
 ・Reading Exchangeでも丸暗記にならないか。
 ・なぜReading Exchangeに焦点を当てたのか。
 →ワークシート感がない。
 →アウトプット量が訳読式に比べてかなり多い。
 ・リスニングやスピーキングのテストも行うと書いてあるが,Reading Exchangを行なっている群のほうが優位になることは自明のことではないのか。
 ・扱う文法事項や内容は,揃えなければ公平にならないのではないか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・Reading Exchangeのマテリアルが短すぎるので,長いほうが良い。なぜなら,短すぎると丸暗記の作業になってしまい,測りたい力が測れなくなってしまうからだ。
 ・現場でこの実験は行わせてはくれないだろう。
 ・それ以前に,OCはどういうものかを定義して,それを肯定していくことが大切である。不明瞭ではなく,明確に。
 ・どんなOCの授業展開なら良いか。どんなOCだとダメなのか。OCは何だと捉えられているのか。これらを調査するのも良いことである。
 ・実際現場では,「OCといえば自発的な会話をする授業だ」と思っている人が圧倒的に多い。
 ・Reading Exchangeが役に立つかどうかを調査することも面白いだろう。



 ■26番の方のResearch Design
 ・英語教師が行なっているOCの授業の現状を把握し,実態を曝すことでOCの必要性を問う。
 ・使っている教材や授業の形態をアンケートで調べる。
 ・例えばテスト自体がOCを意識しておらず,スピーキングやリスニングに触れていないことが多ければ,それによってOCの授業を否定することはできないということができる。

 ◯意見など
 ・進学校と教育困難校で見られる違いはなんだろうか。
 →進学校はopen-endedな活動ができるが,教育困難校は型を覚えたり繰り返す授業展開しかできないとおもわれる。
 ・質問事項に,「OCの授業で単語練習やゲームを授業で行なっているか」と書いてあるが,それらがOCに含まれるとは限らないので,「音声中心の授業の割合はどれくらいか」を聞いたほうがよいのではないか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・アンケートを考えてくる場合は,特にそのアンケートを絞ってくる必要がある。そこを徹底して考えてきてほしい。
 ・また,アンケートを書いてくれる人なんてなかなかいなくて,自由記述なんかはもってのほかである。それらを書ける人は,自分のOCの授業によっぽど自信のある人であろう。
 ・特に授業の実態というものをアンケートで調べたいとき,教師各々に聞いても,主観的やでっちあげの回答をしてしまいがちであるので,本当に授業の分析をしたいのであれば,もっと周りの人に聞いたほうがよいだろう。例えば「ALT」,「教科書会社の営業マン」,「予備校」が挙げられる。彼らは学校の授業内容をよく把握しており,それこそ「実態」を知るものたちである。
 ・上記より,どこに情報が集中しているかを見極めることは,非常に重要なことである。たくさん情報を集めればいいというわけではない。1つであっても有益な情報はあり,それ1つだけで何百人分の意見となり得ることもある。



 ■8番の方のResearch Design
 ・Readingやshadowingといった,音声を介し反復練習を行うような授業でも,OCに含むとする。
 ・音による活動が,黙読Readingの速さや内容再生などに効果的なのではないだろうか。
 ・マテリアルとしては,長文の中に英語の音韻規則に当てはまらないような単語を入れ,黙読に影響を与えるかどうかを調べる。それらの意味は提示しておく。
 ・文章を読む際,脳の中で音を介することが,黙読に影響を与えることはすでに分かっているので,これらの研究を洗うことが必要だと感じている。

 ◯意見など
 ・長文では音の影響を測りづらいので,一文にしてみてはどうだろうか。
 ・音韻規則に当てはまらないものがある長文のほうが,とばしとばしで読んでしまうので,読解が速いのではないだろうか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・やはり長文よりも一文だったり,短い文の方がよいだろう。長文だと余計な知識や力が付加されるので,研究で測りたい力が見えてこないだろう。
 ・やはり,「OCはどうして役立たないと思われているのか」を調べていくことが重要なのかもしれない。



 ■55番の方のResearch Design
 ・文字力と音声力が乖離している学習者は入試を突破できるかを調べる。
 ・文字力を「英語の音韻規則に則った単語(ここでは非実在語)を見て分かる力」とし音声力を「英語の音韻規則に則った単語を聞いて分かる力」とする。
 ・OCの授業で多くインプットをしている学習者は,音声力も高く文字力との乖離が小さいので,Readingに良い効果が出ているのではないか。
 ・ただし,音声力がなくとも,Readingの授業だけで結構入試を突破できてしまっている学習者が多そうである。

 ◯意見など
 ・文字力と音声力の相関をどのように出すのか。
 ・それらを直接点数化することはどうなのか。

 ◇金谷先生のお言葉
 ・低いレベルで文字力と音声力に乖離がない学習者もいるだろう。
 →学習者は事前にテストを行い,上位群を抽出して実験を行う。
 ・文字力を測る際に,音韻規則に則っていようがいまいが,見た目で英語にありそうかなさそうか判断できてしまい,音を介して判断しているかどうかは曖昧である。
 ・結局,黙読の際に音を介しているかどうかの研究に帰着する。



                              ::::次回の課題::::

Reserch Design 5

2012/06/29

 □次回のお題は…

 Think in English.
 英語で考えているかどうかわかる?

です。

 「英語を使うときは英語で考えるべきだ」という人がいます。しかし,考えることを自分で意識的にできることはできないものです。
 第一に,英語で考えているかどうかは自分でもよく分からないものです。それらを見極められるかどうか,考えてみましょう。
 ある人が英語を話しているとき,その人の頭の中に英語しか存在していなかったのか,あるいは読んだり聞いたりしている際は,直読直解をしているのかどうか。それらを確かめる方法を考えてみてください。

 脳の血流測定,反応速度でも構いませんし,先ほどの「読解」「リスニング」「スピーキング」どれでも構いません。

独創的なアイディアを待っています。
Good Luck!