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2012年度 金曜日 前期 英語教育学研究法A 2012.09.15
タームたたきB


 □タームたたきで出た意見を箇条書きで書いていきますので,整理しづらいと思いますがよろしくおねがいします。ちょっとしたこと,深いこと,話が逸れていることなども,載せておきます。



 ■A Cockroach or Cockroaches?

 【概要】日本語と英語の構造上のギャップから,英語で考えているかどうかが分かればよいのだが,まずは英語話者と日本語話者がどの程度単複を無意識的に分けられるかを調査したい。そのために絵を見せながらどんどんその絵の単語を言ってもらうという活動をしてもらう。被験者はネイティブと英語力の高い大学生。

 ◯意見
 ・なぜ英語力の高い大学生を扱うのか。むしろ英語力の低い人達の実態を調査するのが教育では必要なのではないか。
 ・実験では「水」や「コーヒー」と言った不可算名詞を先に提示することで,その後の可算名詞が言えるかどうかを見るのだが,実験者の意図を汲み取られてしまう危険性はないか。
 ・授業でもよく見る光景だが,絵をみて"a"や"an"をわざわざ付けることをしない人もいる。ネイティブでも冠詞を外すこともあるだろうから,それを含めると難しい。
 ・では文で考えさせてみたらどうか。"I can see〜."のように言ってもらう。ただしそうなるとかなり単複を意識させてしまいそうだ。
 ・漫画を作っておいて,その吹き出しにセリフを入れてもらうのも面白いかもしれない。
 ・むしろアメコミを片っ端から調べて,名詞で叫ぶシーンでは冠詞をつけているかどうかを見てもよいかもしれない。また,英訳された日本の漫画を探るのも面白い。
 ・単複でなく,現在と過去の違いとかでもよくない?
 ・ただし,これらが「単数と複数の認識の違い」を表しているとは言いづらい。形態素が違うだけであり,言い方が何であろうがそのものの概念は普遍的であると考えるべき。
 ・そもそもこの議論は「イヌイットには雪という表現がない」というところから始まった。だがそれによってイヌイットに雪という概念がないとは言えないだろう。
 ・また,教育的示唆は?と聞く人がいるが,それがなくても,いずれそこに繋がる研究であれば良いと思う。



 ■音韻習得と語彙サイズの関係

 【概要】音韻規則は中学2年生〜3年生の間に習得されるというが,果たして本当だろうか。実際高校生になっても読めない語がある生徒が多い。つまり音韻規則の習得は語彙サイズによって決まってくるのではないだろうか。音韻規則習得度テストと語彙サイズを測り,その関係を割り出してどの語彙サイズで頭打ちとなるのかを調べたい。

 ◯意見
 ・まず注意したいのは,音韻規則の習得と,調音できるかどうかは別物であること。
 ・多くの学生が発音の指導を受けてないというが,うまい教師は授業の中に自然と入れているものであって,発音の授業を受けてないから読めないという生徒はほとんど見たことがない。
 ・そもそも音韻規則の習得に「完了」というものはないのではないか。
 ・確かに学年が学習量を保証することはないが,語彙サイズは半永久的に伸びていくものであり,音韻規則にはある程度の限界がある。それらを比べる事自体が難しい。
 ・高校生になって読めない語があるというが,それがlikeとかappleであれば深刻なものの,難しい単語やあまり出てこない単語であれば,細かいことはルール化せずにそこで一気に覚えてしまえばよい。
 ・「では具体的にどんな語が高校生でも読めないのか?」という質問にすぐに答えられないようであれば,それは大した問題ではなかったということ。
 ・語彙サイズで音韻規則を習得できたかどうかを知るよりも学年で分かるほうが楽じゃない?
 ・ルールを明示的に教えても,それをルールとして覚えている人と,状況によって「これはこう読むのね!覚えておこう」と思う人の二手に別れる。が,たいていは後者の方が楽で,その都度覚えていくほうがよいだろう。
 ・ただし,「蓄積と整理」に関しては,その整理が行われるタイミングは未だに調べられていないので,そこを調べても面白い。



高校生英語学習者の教科書の語彙の定着率を調査する

 【概要】大学受験でよく単語帳を買えというが,そもそも高校生は教科書で習った単語を覚えているのだろうか。高校2年生と3年生に対して前学年で学んだ単語のテストを行い,その理解度を調査したい。

 ◯意見
 ・単語テストを作ることはものすごく大変だが大丈夫か。
 ・高校1年生を対象にして,中学3年生のときの教科書の単語テストを行なっても良い。その場合は中高一貫のほうがやりやすい。
 ・センター試験で出ているとか注目度の高い大学の入試で出ているかどうかとかはあまり関係無い気がする。
 ・ランダムサンプリングでもよい。
 ・この場合も教育的示唆はなくてもよい。まずは実態の調査から。
 ・特に語彙研究で抜け落ちているところはinput-based。学んだ語彙が身についているかは非常に大切。
 ・語彙の深さの研究はやらないんですか?
 ・そもそも語彙に深さはないという人もいる。
 ・もし大変であれば,生徒にテストを作らせてもよい。先生が大変だと感じることは,生徒にやらせればよい。



                              ::::次回の課題::::

タームたたきC

お疲れ様でした。

□次回は

 「タームたたきC」

となっております。

それぞれがもってきたデザインを載せますので,ご期待ください。