先生:今日からリサーチトピックに入っていくということで、5文型は役立つのかというトピックでやっていきたいと思います。
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○:5文型を意識した和訳練習は読解力と英文内容の記憶保持をする力高めることを明らかにする。英文内容の記憶保持をする力高めるというのは、読んだ英文の内容や構造を理解し、その内容を記憶しておく力のこと。読解能力と記憶力が関係があると仮定して、調査していく。協力者は英検二級を取得している高校2年生100名程度。実験手順:プレテスト→トレーニング→プレテスト。予想される結果と考察として読解速度と回答速度、正答率が有意に上昇すると考えられる。
文型を意識した和訳練習をというのは?
○和訳練習をする際に、主語に相当する部分に下線を引き、どの部分が主語かを明らかにするような和訳練習。
以上のような和訳練習をすることで読解速度が上がるということですか?それはなぜ?
○:ゆっくり読んで理解できないものは早く読んでも理解できない。なのでゆっくり正確に読むというトレーニングをたくさん積むことで読解の処理速度が上がるのではないかと考える。主語、述語、目的語等を意識して読めば読むほど、それを意識しなくても自動的にわかるようになるのではないか?
先生:今のトレーニングだと構造を理解しながら和訳というトレーニングとなっていますが、ここで言っている和訳練習とはどのようなもの?日本語の自然さとかは気にするのか?
○:チャンクごとの訳ではなく、問題集における模範解答のような訳が欲しかった。
先生:一番気になるのは5文型を意識してということだったのだが、5文型の構造把握とこのリサーチデザインの関係性が見えないのですが、そこはどのように解釈していますか。5文型が役立つのかが見たいのですが、それがどこに活かされているのか?
○:SVOCMを把握できることが5文型を理解するのかと考えていた。
先生:構造を意識させることで、意識しなくなるというプロセスが逆説的なのですが、なんでそのような考えにたどり着いたのか?
○:ゆっくり読めないものは早く読めない。だから構造をゆっくり理解させる練習を積み重ねることで早く理解できるようになるのでは?
先生:英文を早く読めって言われたときに、構造を意識しないで読める?普段読むときに構造意識してる?
○:普段難しいものは構造を意識しているが、簡単なものは構造を意識しなくても読める。なので、意識しないで読めるようになってょうが良い。
先生:意識っていう言葉のレベルが違う。意識して和訳するという意識と、意識しないで読めるという意識は度合いが違うのでは?詳しくはEllisのConsciousness参照。
資料についてですが、ポレポレを一発で高校三年生が理解できる?それと高校三年生は文型を意識してきた人とそうでない人がいるのでは?また、プレポスト同じテストだと練習効果が出てしまうのでは?
○:ポレポレを見てみると、それほど難しくない大学の入試問題に使われているから大丈夫そう。
先生:問題は比較対象がいないこと。能力測定するときに、一回目のテストが二回目のテストの練習になってしまうのではないかということ。なので同じマテリアルを使いたい場合は統制群が必要。実験群だけでは買ってしまうと、結果が上がった時に練習効果が出たのか、下がった時にテストの問題が悪かったのかがわからない。
回答の所要時間を図るのはなぜ?
○:内容が鮮明に残っていれば、回答速度が上がるのではないかと考える。
問題が一緒だと、回答する時に同じものを選べばよい。
トリートメントをやる時期、そして誰が主導となってやるのかを表記したほうがよい。
先生:リサーチデザインを書くときはより詳しく書いたほうがよい。誰もが理解できるように。
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○:五文型を常に意識した授業を受けることで、生徒の英作文における語順のミスは減るのか調べたい。プレテストで自由英作文、トリートメントとして、週2回三ヶ月、5文型を意識した授業(例文の構造分析)を受けてもらい、ポストテストでまた自由英作文。100語あたりの語順ミスを分析する。自分の仮説としては、有意差なしとでるだろうと考える。
語順ミスとは。
○:SVOCをSVCOで書いてしまうようなミス。
例えば、explain me the storyはミスはどうする?
○:語順だけをみたい。
先生:語順は5文型とは違うのでは。
○:そうですね・・・
先生:I met boy yesterday was Tom’s brother.だったらどうする?OSVを直さなきゃいけない?それとも守護の内部構造?これを何個のミスとして数える?このような判定は意外と難しいのでは。
どう数えるのかは気になった。I him knowは2個?あるはずのないものが入っていたりしたら?100wordsあたりということは単位はword数?C-unitとか?
先生:さっきの例は関係代名詞の問題で、文型は間違っていない。さっきのexplainは間違ってる。でも採点は逆だとどうする?
じゃあ、マテリアルで、和文英訳のようにしたらどう?それでは力がわからないか・・・。
先生:explainの文は4文型分かってるよね。
話が変わるけど、3ヶ月トリートメントで何をやるかわからない。
3ヶ月は長い。
トリートメントを授業にした理由は?
○:教師からのインストラクションありきでやろうと思った。
先生:対抗馬の普通の授業はどうする?
○:3年生の授業はあまり文型やらないだろうということイメージでいた。
構造処理をしたら認知処理の負荷が高くなるのでは?
○:3ヶ月でだんだんなれるんじゃないかな、と思った。
はじめに、のところで、より複雑な文を産出とあるが、どう測る?
○:副産物としては見られるかもしれないが・・・。
主眼は、5文型をやれば、複雑な文がかけるということ?
○:そうではない。
先生:文型を指導するにも、どのぐらいの深さでやるかで、全然違う。実験群も統制群もブラックボックスに入ってしまっている。
教育的示唆に、どの動詞に目的語がつくのか、とか、コロケーションの話が書いてあるけれど、こっちをやったら?
○:自分でもそう思いました。
先生:ホーンビィのコロケーションよりの文型みたい。動詞のパターン。
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○:3文型まではできるが、4→3文型の書き換えは大変。メンタルレキシコンからの処理が煩雑。5文型も認知負荷が大きいと思った。逆にインプット重視で、量でやったほうが良いのではないだろうかと考えた。研究目的は、4→3文型に書き換えるタスクの効果の検証。3グループ作り、それぞれ明示的な文法説明を受けたグループ、それに加えて自動詞他動詞の指導をしたグループ、そして、暗示的指導のグループとする。プレテスト、トリートメント、ポストテスト、ディレイド・ポストテストを行う。仮説としては、ポストでは明示的な指導グループが勝つが、暗示的指導グループがディレイドテストにおいて出来が良く、4文型から3文型への書き換えが指導としては不向きであるということがわかるだろうということ。
プレテストとポストテストは?
○:トリートメントでやった英文の穴埋め、和文英訳など。
先生:4→3文型の書き換えに、どれぐらい自動詞他動詞が関わるか?自動詞他動詞の話ではないですよね?
○:自分ひとりでできることはforとか…
先生:アーギュメントストラクチャーの話では?それはどっちも他動詞だけど。
○:そうです。
4→3文型で意味が変わるものは?
○:触れません。
先生:トリートメントの期間は?授業でやるの?
○:教師要因が出たらまずいから揃えたい。帯活動のようにして揃えたい。
先生:トリートメントにかかる時間は?
○:50分授業の中でやるのを想定している。
50分の限られた時間の中で、暗示的グループは、できるようになるということ?
○:その通り。これは量だと思う。
認知的負荷というのを何回も言うけれど、なぜ明示的>暗示的と思うのか。
○:頭の中の処理の話。4→3文型を明示的知識を使ってやろうとすると処理が多いので、暗示的にやったほうがすっと行くのではないだろうかということ。
先生:この研究の売りは、アーギュメントストラクチャーなのか。Writeは目的語1つあればいいけどtoだし。アーギュメントストラクチャーの話は正確にかかないとまずいかも。
先生:協力者のところで、3文型までの学習している高校1年生300人とあるが、中学で習う。Call me Mike.の意味理解ができたらいい?構造理解ができたらだめ?
○:明示的に理解できていなければよいということ。基本的には、文型の操作ができない人。
先生:どうやって調べる?
○:SVOが正しく触れるかどうか、語順整序ができるか、で調べる。
先生:語順整序ができるか、と、SVOがふれるかとは開きがある。ネイティブだと前者はできるが後者はできないこともある。
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