
1997公開講座
近年「世界遺産」が大きな関心を集めています。現在の私達の生活が、えんえんと続く歴史の延長上のあるものであり、歴史の中で培われ、守り伝えられてきた大切なものを、これから将来に伝えていくことが今に生きる私達の重要な任務であるという意識が急速に高まりつつあるのです。東京の町も長い歴史を辿ってきた都市として知られています。急速な発展を続ける町ではありますが、見なれた町中の風景や習慣、地名などの様々な形で近世、近代を経てきた歴史の痕跡を見い出すことができます。
今回の公開講座では、世界遺産の意義や制度にスポットをあてながら、近世からの歴史的要素を豊富に残す、谷中、根津地区を対象に「将来に語り継いでいくべきもの」を考えるワークショップを試みました。街を実際歩きながら、自らの目を見て、耳で聞いて、舌で味わって町の特徴を再発見していくことは、まちづくりの第一歩です。そこから新しい議論や提案がうまれ、住民同士の連帯感もうまれてくることでしょう。今回の講座が、参加者のみなさんが町再発見の楽しさを経験していただく一助となり、自らの町を考えていくきっかけになることを期待するものです。
文/志村 直愛
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