
PARTICIPANT: 
* 1998修士卒 ~芸術学-保存修復技術
1995 プログラム
ピッツバーグ鉄鋼会社記録保存調査参加報告
私のプロジェクトは内務省国立公園課(NPS:National Park Service)のアメリカ歴史的建築調査およびアメリカ技術遺産記録部(HABS/HAER:Historic American Building Survey/Historic American Engineering Record)指導のもと、ピッツバーグ鉄鋼会社(ペンシルバニア州)の鉄鋼製造過程を記録するというものでした。鉄鋼製造の歴史はアメリカ近代の歴史であり、今では利用されないその製造技術も当時のハイテク技術として重要であるとの理由で選ばれた物件です。
■プロジェクトメンバー
7名(監督/建築家/エンジニア/地方の歴史家、など)+2名(国立公園課スタッフ)
■スケジュール
1〜4週目
・オフィスとこれから住む住宅の環境設定(製図台などをつくる)
・現場見学(スケッチや写真を撮り現場の様子を頭に叩き込む)
・国立公園課作成のマニュアル読解(実測の仕方、図面の描き方、など)
・鉄鋼の歴史についての勉強(図書館で本を借りひたすら読む)
・図面のレイアウト(記録図面なので一般に知られる建築、土木、機械の施工図面とは違い誰でも読み取れる絵的なものを描く)
・ペンシリング開始
・実測l開始(このプロジェクトでは物件がすでに取り壊されていたり、老朽化で危険だったので実測は最小限にし、過去の図面からペンシリングする)
・写真撮影(全体、詳細、野帳としての意味も兼ねる)
5〜7週目
・ペンシリング
・実測
8〜11週目
・ペンシリング
・実測
・インキング
・航空写真撮影(国立公園課専属カメラマンの写真による記録)
12週目
・ローカルコミュニティーに対してのプレゼンテーション
図面は国立公園課スタッフの中間指導を何回か受け次の段階へと進んでいきますが、歴史家は他のメンバーとは別に図面に載せる原稿を作成します。期間中には国立公園課主催のピクニックなどもありそこで他のプロジェクトの情報を得ることができます。最終的に国立公園課には図面、野帳、写真を提出し、それらが合衆国議会図書館へ納められぷプロジェクトは終了します。
■プログラムを終えて
このプログラムには若い人に保存プロジェクトに携わる機会を与え、技術を修得してもらうことや概念教育ができると共に、国の財産としても毎年確実に歴史的遺産の記録が残るという一石二鳥の効果があり、合理的でとてもアメリカらしいと思います。このようなプログラムを行うことは地方や連邦の保存組織同士がしっかりと結びついていないとできないことで、それを実現しているアメリカの先進性を学んで来れたことはとても貴重な経験であったと思っています。
見出し へ