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書籍情報
江戸の教育力

著書名:江戸の教育力 近代日本の知的基盤
著者:大石 学
表紙デザイン:正木 賢一
編集:東京学芸大学出版会編集委員会
発行:東京学芸大学出版会
2007年3月30日 第1版第1刷発行
ISBN:978-4-901665-08-7
価格:1,260円(税込)

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 NHK大河ドラマ「新選組!」や来年度の大河ドラマ「篤姫」、さらには木曜時代劇などの時代考証を担当している江戸時代史の達人、東京学芸大学の大石学教授が書いた江戸時代の教育に関する本。幕府の教育政策から子どもたちの寺子屋での様子までいきいきと、わかりやすく描かれています。庶民の教育熱が高く7万もの寺子屋があったと言われる江戸時代の教育状況がよく理解できます。現代の教育問題・学校問題や教育改革、教師の授業力を考える際にも、そのルーツとしての江戸時代の教育のあり方を知ることが役に立つと思います。

内容構成

はじめに ー 江戸時代蔵の変化
 時代劇の経験から/歴史学研究の分野から/「平和」の到来

1.「平和」の到来と文字社会 ー 江戸前期

(1) 文字社会への胎動
 宣教師が見た戦国時代の意外な一面/武具から文具へ
(2) 文字社会の成立
 兵農分離がもたらした文字社会/オランダ人が見た日本の教育
(3) 社会全体に芽生えた教育への理解と関心
 農民にも町人にも教養が必要 ー 文字文化の広がり/高まる教育への理解と関心/経済の発展が教育を可能にした/文治主義湯島聖堂/藩校と郷学の設立

2.8代将軍吉宗の教育改革 ー 江戸中期

(1)享保改革の展開
 高度成長後の停滞期に対応した吉宗/合理性を重視した官僚制の整備/情報を共有できる公文書システム/公文書システムの整備で行政の効率アップ/萩生徂徠の情報に対する認識/公文書システムのその後の展開
(2)吉宗の教育改革−国民教育の振興
 儒学の振興・普及/学校制度の整備構想/幕府の出版活動/「国定教科書」ができた/教科書普及のための話題づくり
(3)「記憶」から「記録」へ−加速する教育社会
 萩生徂徠の藩校設立構想と享保期の藩校/庶民の学校へも将軍がじきじきに援助/医学教育の充実にも熱心だった/「記憶」から「記録」へ ー 文書主義の浸透

3.国民教育の発達と普及 ー 江戸後期

(1)藩校・郷校・郷学の発達
 衰えない教育熱/学問の多様化 ー 儒学・国学・洋学/幕府や藩の洋学導入/ほとんどの大名家が藩校を設立した/庶民のための郷校も増える/地方・農村にも増えていった郷学
(2)手習所(寺子屋)の普及
 手習所の普及/幕末維新期の女師匠は約1割/師匠と生徒/手習所での教え方と教科書/手習所の行事/手習所玉松堂の1年/生徒と親子
(3)日本文化の発展と外国人の驚き
 寺子屋の就学率/高い識字率/江戸の出版文化/日本の教育に驚いた外国人たち

おわりに ー 「江戸の教育力」を見出す意義
 「江戸の教育力」が支えた明治以降の近代化/現代の課題への射程

別表1.全国の主な藩校
別表2.東京の女師匠の例
主要参考文献
あとがき

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