内容構成
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はじめに ー 江戸時代蔵の変化
時代劇の経験から/歴史学研究の分野から/「平和」の到来
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1.「平和」の到来と文字社会 ー 江戸前期
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(1) 文字社会への胎動
宣教師が見た戦国時代の意外な一面/武具から文具へ
(2) 文字社会の成立
兵農分離がもたらした文字社会/オランダ人が見た日本の教育
(3) 社会全体に芽生えた教育への理解と関心
農民にも町人にも教養が必要 ー 文字文化の広がり/高まる教育への理解と関心/経済の発展が教育を可能にした/文治主義湯島聖堂/藩校と郷学の設立
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2.8代将軍吉宗の教育改革 ー 江戸中期
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(1)享保改革の展開
高度成長後の停滞期に対応した吉宗/合理性を重視した官僚制の整備/情報を共有できる公文書システム/公文書システムの整備で行政の効率アップ/萩生徂徠の情報に対する認識/公文書システムのその後の展開
(2)吉宗の教育改革−国民教育の振興
儒学の振興・普及/学校制度の整備構想/幕府の出版活動/「国定教科書」ができた/教科書普及のための話題づくり
(3)「記憶」から「記録」へ−加速する教育社会
萩生徂徠の藩校設立構想と享保期の藩校/庶民の学校へも将軍がじきじきに援助/医学教育の充実にも熱心だった/「記憶」から「記録」へ ー 文書主義の浸透
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3.国民教育の発達と普及 ー 江戸後期
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(1)藩校・郷校・郷学の発達
衰えない教育熱/学問の多様化 ー 儒学・国学・洋学/幕府や藩の洋学導入/ほとんどの大名家が藩校を設立した/庶民のための郷校も増える/地方・農村にも増えていった郷学
(2)手習所(寺子屋)の普及
手習所の普及/幕末維新期の女師匠は約1割/師匠と生徒/手習所での教え方と教科書/手習所の行事/手習所玉松堂の1年/生徒と親子
(3)日本文化の発展と外国人の驚き
寺子屋の就学率/高い識字率/江戸の出版文化/日本の教育に驚いた外国人たち
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おわりに ー 「江戸の教育力」を見出す意義
「江戸の教育力」が支えた明治以降の近代化/現代の課題への射程
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別表1.全国の主な藩校
別表2.東京の女師匠の例
主要参考文献
あとがき
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