[ご案内]
本書は,東京学芸大学出版会がブックレットとして出すリベラルアーツ21シリーズの,第1号です。---リベラルアーツ21シリーズとは,わが国の教員養成の基幹的役割を担う本大学にある出版会として,教師や教員志望の学生はもとより,PTAや一般社会の皆様にも,さまざまな角度から教育の問題に関してすぐれた手引を読みやすく提供することを目指したものです。---
著者は不登校をはじめとする児童生徒の学校適応指導の第一人者として広く知られています。心理学的には認知行動療法といわれる領域の手法を得意とする先生ですが,難しい専門用語は一切使わずに,認知行動療法のエッセンスが具体例とともに分かりやすく説明されています。それは,本書が2004年に鹿児島と京都で著者が行った講演の逐語記録を元に再構成されたものであり,聴き手に語りかける口調で書かれているからでもあります。著者と対話している感覚で読み進めるうちに,今の子どもは何に悩んでいるのか,その社会文化的背景は何か,どう対応すればよいのか,などについての深い洞察を自然に得られていることに,読者は喜びを感じるであろうことと思います。
|