国語のアクティブ・ラーニングの源流はここにあり! 今、学校において当たり前のように教えられている国語にも、その教育方法を構築した人物がいる。それが沖山光(1905〜1990)である。青山師範学校卒業後、二松學舎大学で学んだ沖山は、戦後の教育改革のなかで、現代につながる新しい国語教育の確立に深く関わった。本書はこの沖山の伝記であるとともに、彼の提唱した読解の指導法や構造学修論を丁寧に説明した本である。 教育のなかで、子ども自身が学ぶことを重視した沖山の方法は、アクティブ・ラーニングが強調されている現代の教育改革に通じるものがある。一貫して教育現場に関わりながら、ソシュールの理論を取り入れて、教育方法論を構築していった沖山光の生涯と思想は、教育改革を真剣に考える教育者、実践の柱となる理論を模索する学校教員、そして何よりも子どものための教育を目指すすべての大人に、深い示唆を与えるであろう。 |