令和2(2020)年4月1日より、本校の校長として働くことになった坂口謙一(さかぐち・けんいち)です。新型コロナウイルス感染症問題が私たちを強く直撃している最中の校長交代となり、みなさんに多大なご心配をおかけしてはいないかと案じています。
さて、私が東京学芸大学の教員として着任したのは、平成11(1999)年10月のことでした。もう20年近く前のことになります。本校をその一部とする小金井キャンパスは、私にとってHOMEのような存在です。ちなみに、いわゆる学生時代の多くも、この小金井キャンパスで過ごしました。
私の学術研究上の専門は、技術・職業教育学です。この場では詳しくお話しできませんが、私の研究上のコンセプトは、人々が生涯にわたって幸福を追求し続け、「人間としての尊厳(human dignity)」を持って生きていくためには、技術・職業・労働に関わる技術・職業教育(technical vocational education and training:UNESCO)が不可欠という考え方です。日本国憲法においても、個人の尊重や幸福追求権を保障した第13条は、とても重要な意味を持っています。
私はいま、世界中の多くの人々が、大規模な自然災害の多発のみならず、この四半世紀以上続く近年の激動する社会情勢のなか、夢や希望を描くことがとても困難になっており、とくに若者たちの「生きづらさ」は強くなっていると思っています。とても深刻な問題ではないでしょうか。夢や希望は、幸せと深く結びついているからです。現下の新型コロナウイルス感染症問題は、こうしたゆるがせにできない悩ましさを、さらに強めてしまいかねないと大いに危惧しています。
それゆえ私は、本校の生徒のみなさんに、「自分」らしい夢と希望を持って欲しいと強く望んでいます。もう一言付け加えると、「他者」と共に、直面する困難を見据えながら、「自分」らしい夢・希望を描くことができ、その夢や希望の実現に向けて、理に叶った、「自分」ならではの試行錯誤を地道に繰り返して努力する。そして、同様の「他者」の姿を見て、その人の、人間としての価値を認めることができる生徒になって欲しいと望んでいます。そのためには、「自分」と「他者」とが、お互いの強さばかりでなく、弱さをも共有できなくてはなりません。
いま、呼称はさまざまですが、日本ばかりでなく世界的に期待されている「生きる力」とは、本来、このような私たちの夢と希望を持続的に求めていくためのチカラのことではないかと思われます。
末筆になり恐縮ですが、本校の運営に関しては、保護者のみなさま、並びに本校同窓会と本校教育後援会「若竹会」のみなさま方には、引き続きのご支援とご高配を賜りたく、深くお願い申し上げる次第です。
また、令和4年度も多数の皆様方から「東京学芸大学基金」を通じて、本校の教育振興助成金へのご寄付を賜りました。令和4年度の1年間のご寄付は、1,988,000円となりました(うち軽音楽部の活動へのご寄付100,000円)。暑く御礼申し上げます。
皆様からのご厚意に報えるよう、本校教職員一同、より一層質の高い教育活動の推進に努めてまいる所存です。今後ともご支援の程、宜しくお願いいたします。東京学芸大学基金
東京学芸大学
附属小金井中学校 校長 坂口 謙一
学長補佐・教育学部教授
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