設置の趣旨・
目的
連合学校教育学研究科(後期3年のみの博士課程。以下「本研究科」という。)は,大学における教員養成の充実と学校教育の発展を目指して,我が国ではじめて教員養成系大学・学部に設置された博士課程で,教育の理論と実践に関する諸分野について,研究者として自立して研究活動を行い,又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的としています。
我が国の学校教育は,今日,高い水準を維持していますが,生徒指導上の問題や過熱する受験競争等の解決すべき課題を抱えているだけでなく,新世紀にふさわしい個性と学力を重視した教育が強調され,新たな飛躍が求められています。
学校教育の新たな発展のためには,より高い資質を持つ教員を確保するための養成・研修の充実,教員養成の中軸をなす学問分野の研究の充実が必要です。また,学校現場に関する現実的な研究の活性化と教員の資質の向上が重要です。
本研究科は,以下の諸点を通じて,これらの課題に応えます。
研究科設置の意義の説明図
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教科教育学を中心とする教員養成系大学の研究後継者の養成
学校における教育活動の大部分を占め,教員養成課程においても重要な位置にある各教科の教育の在り方を研究する「教科教育学」の研究者の養成を専門的に行うことにより,教員養成を主たる目的とする教育学部等の教育研究の充実を図ります。それと同時に,教員養成課程の教育を学校現場に結びついた,より実践的で,系統的なものとするために,教員養成系大学・学部における教育科学及び各教科の内容にかかわる基礎諸科学関係の科目の担当者の一部をも養成します。 |
(2) |
学校現場の経験を踏まえた教員養成系大学教員の養成
資質の高い実践力のある教員の養成には,小中高校等の学校現場における経験を基礎とし,教育・研究が行われることが重要であることを考慮し,教職経験者が博士課程で学び,専門的な研究能力を身につけ,大学の教員養成課程の教員として活躍できるような条件を整えます。 |
(3) |
教育関係専門職従事者の養成と高度な研修機会の提供
小中高校等の教員の研修担当者をはじめとする,教育関係の専門職従事者を養成し,これらの人びとが,新しい知識・技術を修得して,その資質を高めるために,高度な研修の機会を提供します。 |
(4) |
「広域科学としての教科教育学」と学校教育にかかわる実践的課題の解決のための研究の発展
本研究科における研究の中心として,特に教科教育学の発展を主な目標とします。教科教育学を単なる教科指導の域を超えた新しい「広域科学としての教科教育学」に発展させ,学校教育の主要な部分である各教科の教育の目的・内容・方法等の研究を高度化し,我が国の教育の新たな段階を実現します。さらに,学校教育の場面で生じている課題の解決を目指した現実的な研究を活性化させ,学校教育のより一層の充実に結びつく研究を展開することを目標とします。 |
研究科の構成
本研究科は,国立大学法人東京学芸大学・国立大学法人埼玉大学・国立大学法人千葉大学・国立大学法人横浜国立大学の教育学部及び教育学研究科(修士課程)を母体として構成される連合大学院で,後期3年のみの課程からなる独立研究科です。