行事

過去の合同ゼミナール

平成21年度東京学芸大学大学院連合学校教育学研究科
合同ゼミナールについて

ワークショップの趣旨と展望

 

発達支援講座 平田正吾

 ディベートを企画した理由
 本年度もワークショップでは、昨年度より引き続きディベートを行った。企画理由は第1に、ある課題に対して、割り振られた立場から論理を組み立て主張するディベートは、研究者として必須の能力である客観的観点からの論理的思考を育むトレーニングとして適したものと考えたからであり、第2にディベートは現在、教育現場で注目されている諸課題に対し、本研究科に在籍する学生が理解を深める機会として格好の場となると考えたからである。



 実施方法

2−1 ディベートテーマの設定, 事前準備
 本年度の運営委員会では、①教育現場で現在、注目されている問題であること、②その問題に対して、肯定、否定のいずれの主張も成立するものであること、の2点を満たすことを条件として検討を重ねた結果、以下の3つのテーマを本年度のディベートのテーマとした。すなわち、「1 児童の携帯電話の使用は是か非か」、「2 小中学校で朝ご飯給食を出すべきか否か」、「3 高校生に制服は必要か否か」の3点である。続いて、各テーマの座長を運営委員から選び、各座長を中心としながらテーマ説明の為の資料を作成した。作成された資料は参加学生全員に配布し、参加希望テーマ(第1希望・第2希望)選択のために用いた。その後、運営委員会で参加者の希望を整理し、各参加者をそれぞれのテーマにおける肯定側、否定側に無作為に割り振った。また、本年度においても各参加者に参加するテーマを通知する際に、自らの割り振られた主張を裏付けるための資料を当日、持参するよう依頼した。しかし、本年度は、この依頼をする時期が例年よりも遅れたため、運営委員会の方で各テーマに関する基本的な資料を幾つか準備し、当日、配布することにした。

2−2 プログラム
 本年度のディベートも、昨年度と同様に分科会と全体会の2部構成とした。本年度の分科会は、以下の順序で行った。①顔合わせ・座長説明(5分)、②作戦タイム1(20分)、③肯定側主張1(7分)、④否定側質疑1(5分)、⑤否定側主張1(7分)、⑥肯定側質疑1(5分)、⑦作戦タイム2(7分)、⑧肯定側主張2、⑨否定側主張2、⑩投票、⑪講評(5分)、⑫フリートーク(5分)。分科会終了後の全体会では、各グループの座長が、双方の主張及び投票の結果、講評の内容について報告した(各グループ5分)。昨年度からの変更点は、全体会の時間を30分から15分に短縮し、余った時間を分科会に含めたことである。具体的には、分科会での作戦タイム1を昨年度よりも5分延長すると共に、最終的な主張を整理する時間として作戦タイム2を導入した。
 各座長は、分科会でのディベートの論点の整理や司会を行い、全体会で報告した。また、本年度、各座長にはディベートの司会を行うにあたり、作戦タイムや各立場からの主張・質問の制限時間を厳守すること、持参した資料に基づき論理的に議論を進めることの2点を参加者に徹底させるよう依頼した。投票は、各ディベートを高聴してくださった先生方に依頼した。


 今後の課題と展望
 どのディベートテーマに関しても、概ね予定通りに進行することでき、企画の意図を少なからず達成することが出来たと考えている。しかしながら、その一方で反省点も多い。特に、本年度は参加者へのディベートの参加テーマの通知や資料準備の依頼が遅れ、参加者がディベートに関して十分な準備を出来なかった感は否めない。また、当日のディベートの進行に関しても、各参加者の役割分担などについては特にルールを定めなかったが、実施後のアンケートでは、各参加者の役割分担を明確にした方が、円滑にディベートが行えるのではないか等の指摘が成されていた。これらの点が本年度のワークショップの反省点となる。このような課題を解決し、私的な見解ではあるが来年度のワークショップでもディベートが企画され、有意義な時間を過ごせたらと望んでいる。以上が、本年度のワークショップの趣旨と展望となる。最後に、今回のワークショップの企画と運営に尽力してくれた運営委員の皆様と、参加者の皆様に感謝したい。ご協力ありがとうございました。

平成21年度の日程について


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