児童の日常的生活環境と昆虫に関する素朴概念
Children's Surrounding Nature and their Naive Concepts about Insects
〇平 田 昭 雄* 杉山健太郎** 高根沢伸友**
HIRATA,Akio SUGIYAMA,Kentaro TAKANEZAWA,Nobutomo
*大 阪 大 学(文部省内地研究員) **東 京 学 芸 大 学
Osaka Univ. Tokyo Gakugei Univ.
[要約]
東京都内に在住の小学校第5学年児童に質問紙法による調査を実施し,当該学年段階の児童においては,1)教科書等に「昆虫」と明記されているもののみが「昆虫」で,それ以外は「(ただの)むし」という誤概念; 2)「昆虫の条件」を完全に満たすもののみが「昆虫」で,満たさない小動物は「むし」(「昆虫」ではない)という素朴概念; 3)いわゆる害虫は「昆虫」ではなく「むし」であるという誤概念; 4)昆虫の幼虫は「幼虫」であって「昆虫」でも「むし」でもないというオルタナティブな昆虫概念; 等が形成されている可能性を明らかにした.
[キーワード] 小学校理科,昆虫,素朴概念,日常知,生活環境,オルタナティブ.