トップページ > 宇宙地震学

宇宙地震学


地震・津波に起因する電離圏擾乱

大地震・大津波における地表面の変位が大気の音波を励起し、その音波が10分弱で電離圏に伝わり、電離圏プラズマの変動を引き起こすことは、 1960年代から知られていました。このような変動は、GPS受信点データを用いた電離圏の全電子数測定(Total Electron Content:TEC)ができるようになってからは、 音波の伝搬が視覚的に捉えられるようになりました。 特に2011年の東北地方太平洋沖地震(M9.0)では、電離圏・磁気圏においても複数の現象がみられました。(図1)

地震動・津波によって生じる電離圏擾乱

地震動や津波によって大気が押し上げられ電離圏が擾乱される現象があります。古くはHFドップラーによって観測されていましたが近年ではGPS- TEC観測において面的に変動を見ることができるようになりました。

J. Y. Liu, Y.B. Tsai, K.F. Ma, Y.I. Chen, H.F Tsai, C.H. Lin, M. Kamogawa, C.P Lee, Ionospheric GPS total electron content (TEC) disturbances triggered by the 26 December 2004 Indian Ocean tsunami, J. Geophys. Res., Vol. 111, No. A5, A0530310.1029/2005JA011200, 2006.

311
2011年東北地方太平洋沖地震で見られた地球電磁気的諸現象