教科と教育課程を考える公開研究会(第1回)
日 時: 2002年7月16日(火) 18時から20時まで
場 所: 東京学芸大学教員養成カリキュラム開発研究センター 会議室
(第4部事務棟2階)
内 容: 1「国際学力調査(PISA)結果からみた日本の学習状況」
東京学芸大学助教授 清水美憲 先生(数学教育学)
(参考資料『生きるための知識と技能』ぎょうせい
2「新教育課程の編成と実際−「総合的学習」への取り組み−」
小金井市立本町小学校教頭 倉嶋民雄 先生
第1回の上記・公開研究会は、台風7号の通過日で開催も危ぶまれましたが、幸い、早めに台風が通過し、予定通り7月16日(火曜)午後6時から8時過ぎまで開催しました。
この研究会は、本センターの教科・教育課程編成に関するプロジェクト研究の一環でして、研究の過程と成果等をなるべくオープンにして、意見・研究の交流を活発化していこうと考え「公開研究会」としました。
今回、ホームページにも案内を掲載しましたが、その甲斐あってか、当日は3つの本学附属校から各1名と学外の方2名が足を運んでくれました。参加者は、合計16名で、質問の途切れることのない、有意義な研究会となりました。
さて、今回は、2つの報告をもとに、研究会をおこないました。
一つは、小金井市立本町小学校教頭の倉島民雄先生から、「新教育課程の編成と実際」と題して、今年度から全面実施された教育課程をどう組み立てたのか、その特徴はどのようなものか、そして学校教育現場からみた教員養成に関しての期待を、ご報告いただきました。
討論では、(1)ティームティーチング(T.T.)や少人数授業、「総合的な学習」についての計画段階での配慮点、その具体的計画案、実施上の留意点等について、(2)また、「総合的学習」等を実践する際に、附属小学校等と違いはどんなところに出てくるのでしょうか、というざっくばらんな意見交換も交えておこなわれました。
もう一つは、本学数学教育学の清水美憲先生から、「国際学習到達度調査(OECDのPISA)結果から見た日本の学習状況」について報告していただきました。国際教育到達度評価学会(IEA)と違って、市民的教養・リテラシーを把握し、「学校カリキュラムで扱われている知識や技能の習熟度を調べる」というねらいから、15歳に照準を合わせていること、今回の調査は「読解リテラシー(読解力)」を主に調査するものであること、「数学的リテラシー」「科学的リテシー」については2003年と2006年にそれぞれ本格実施されること、そして、「わが国では、生徒が国語や数学、理科について『宿題や自分の勉強を巣時間の指標値』が参加国の中で最低であり、・・・」「我が国では生徒の読解力と生徒の社会経済文化的背景との関連は弱い」等の結果について、概説していただきました。
討論では、持参していただいた新聞や調査結果資料についての質問もだされ、本や新聞を読んでいるだけでは知りえない、豊かな知見を得ることができました。
報告者の方々、参加いただいた方々、ご苦労様でした。次回もよろしくお願いいたします。