教科書・教育課程の比較研究会(第2回)

 今回は「アメリカ合衆国における学校教育カリキュラムの検討」として、「全米芸術標準」を素材に、東京学芸大学音楽教育学・筒石賢昭氏から話題提供をしていただきました(10月29日)。

 報告の内容構成は、@現在進行中の外国における教科等の内容構成に関する調査研究(国立教育政策研究所)の動き、A最近の筒石先生の音楽に焦点付けた教科等の編成に関する研究、Bアメリカの学校教育の概要、Cタングルウッド・シンポジウム(1967)以降の主な音楽教育カリキュラム関係史、D全米芸術教育標準(National Standard for Arts Education 1994)をめぐって−これが、中心で、パワーポイントシートの半分を占めていた−、Eビジョン2020(ハウスライト・シンポジュウム、1999)の検討、Fタングルウッド・シンポジウムとハウスライト・シンポジュウムの比較、その違いの意味、というものでした。

 報告では、パワーポイントとそのハードコピー資料をもとに話していただきましたが、そのほかに、先生が撮影されたビデオを視聴しながら、音楽教育の現在、いくつかの論点について、楽しく・わかりやすく、視覚聴覚的な資料も介して話していただきました。あっという間の1時間半でした。

 筒石先生の話題提供後の質疑応答といいますか、意見交換では、@音楽教育では、音、音的な信号を人間の特性と関わらせてどのように理解しているのか。−それは、教員養成のカリキュラムの構成を考える際に一つ考えておかないといけないと思うのでー、A美術教育関係でも、Disciplineに重点をおいた教育理論が出ているが、音楽教育領域ではどうか(同じように音楽教育領域でも出ているそうです)、A2つのシンポジウムの間の意味について、B音楽、美術、体育の教科の教員養成は、米国ではどうなっているのか(専門学部・学科で、専門科目をとっているそうです。教職関係科目はCurriculum & Instruction等学科でとるそうです)の質問をもとに話し合いました。

 当日は、筒石先生のところで学ぶ学部生・院生・留学生等が参加していただき、和やかで、有意義な会でした。参加者は、15名でした。また、米国の教育事情を探るには便利なサイトの紹介もしてくれるという、お土産つきでした。
 なお、当日の資料が必要な方は、三石にご連絡ください。

 また、第3回研究会は、12月10日(火) 午後4時30分〜6時に、坂井俊樹先生(社会科教育学)から、「韓国の歴史教育と日本-歴史教育・歴史教科書-」というテーマで話題提供していただけることとなっています。この日は、望年会も予定しています。