コマーシャルのない子ども時代という贈り物
講師: スーザン・リン氏 (ハーバード大学医学部)
日時: 2015年 9月7日(月) 13時〜15時
会場: 東京学芸大学 小金井キャンパス 20周年記念飯島同窓会館 第四会議室
趣旨: 多国籍
企業は世界中で,子どもという消費者層をお得意様として取り込もうと、熾烈な競争を繰り広げています。以前はひと握りの企業しか携わっていなかった子ども向けビジネスは、アメリカだけで年間170億ドル超と推定される巨大市場に成長してきました。また、スマートフォンやタブレットのような洗練されたモバイル機器の普及により、企業がかつてない規模で子どもに直接宣伝を行うようになっています。それにもかかわらず、子どもをマーケティングから守るための規制は不十分です。家庭では親が子どもの機器の利用に制限をかけようとしますが、企業はそれをものともせず、子どもに大量の広告を浴びせ続けています。小児肥満、暴力行為、性の早熟化、過剰な消費、家族が抱えるストレス、創造的な遊びの停滞といった現象は、すべて子ども時代の商業化という問題に関係しているのです。講演では、こうした状況がいかに子どもにとって重大で破壊的なものであるかを確認した上で、私たちに何ができるかを考えたいと思います。